闇に涙する 遺児の悲しみを知れ!


 私は、平成16年9月議会の一般質問で、自殺の未然防止と遺族ケアの問題を取り上げました――――

 自殺者は不況の底を脱したと言われるにも拘わらず、逆に増えております。昨年1年間に自殺した人は、3万4427人であり、これは統計を取り始めた昭和53年以降最も多いと警察庁のとりまとめでわかったと報道されました。長野県内では643人とのことであります。

 自殺の原因も、健康問題が自殺者の37.5%を占め、次いで経済・生活問題が35.2%、家庭問題9.3%、勤務問題が5.9%とのことであります。

 国家が積極的に、自殺未然防止策を講じてあげることが必要ですが、政府は等閑が得意。私は、まず最も身近な行政である市町村が手を差し伸べることが大切と感じます。

 悩んでいる人たちの相談日を毎日開設してあげる。弁護士さんの担当される法律相談時間も20分と区切らないで相談相手となってあげる。専門家である県精神保健福祉センター「心の電話相談」や「長野いのちの電話」への橋渡しをしてあげることが必要かとも思います。

 自殺によって残された遺族は、周囲から白い目で見られ、自分自身で責めたりして半分以上、鬱(うつ)状態になる場合が多いとのことを考えると、行政がタブー視や放置するのではなく、積極的に遺族ケアの手をさしのべてあげることが必要と感じます。

 遺児は、学校でいじめにあっていないでしょうか?突然家族が亡くなってしまって何が何だかわからない。然し現実として自殺者が家族の中のお母さんであったり、お父さんであったり、お姉さんやお兄さん等であった場合に、ぽっかりと大きな大きな穴がこころに空き、生涯癒すことの出来ない忌々しさや口惜しさが、遺族のこころを苛(さいな)ますのであります。

 遺児たちは「夜」布団に入るたびに、突然亡くなった肉親を慕い、涙を幾筋も幾筋も流し枕を濡らしながら、闇のなかで自殺した肉親に会っているとを知るべしです。

 そんな遺児たちを、あなたは侮ることや謗ることができますか?少なくとも当市の小・中学校の児童・生徒に人を思いやる優しさを望むのは、私だけではないはずです。

 質問席に立ちながら、遺児たちの諸々のことを考え、議員として如何に保護をしてあげることが出来るかと思案していましたら、不覚にも質問中であるにも拘わらず涙が落ち、どうしても次の言葉を発することが出来ませんでした。答弁に立たれた宮本経祥教育長も同様に涙を堪えて容易に言葉を発することが叶わない答弁となりました。質問者も答弁者も涙を堪えるのがやっとでした。
 
 「遺児たちよ、健やかに、めげずに、伸び伸びと雄雄しく育って欲しい」と願う気持ちとエールを心の裡に秘めて、須坂市民が互いに人として救済の手を差しのべる提言を、これからも続けたいと思います。


2004/09/12 (日)