旨いに理屈はいらない


馴染みの味は誰もがもつものである・・・
人との出会いを邂逅とすれば・・・
味との出会いは何と表現すればよいのであろうか。
味の虜(とりこ)、通い詰め、大好物の表現か・・・

然し、ものを食べて旨いと感じる下地は、実は母から教わったものではないか。
物心ついた頃に口にしたものは、母が大好物であった味付けではなかろうか。
この味の感覚は、本人が成長し、或いは時代が変わって、料理もあれこれと変貌しても、すべての基本は、やはり母から伝授された味覚になっているものと確信する・・・

今日は、炎天下もおだむを待ってうどん屋ののれんをくぐった。
馴染みの味を求めて、馴染みの店である。
いつものうどんを注文する・・・
やがて・・・
運ばれたうどんの丼からひと匙出汁を口に含み
風味をひとしきり舌で転がし、徐に味わう・・・
つるつるとうどんを口に運ぶ。
暑中に熱いうどんを食べるは暑気払いと言える。
馴染みの味を口にするとファイトが湧いてくる・・・
食べ物はやはり不思議な力を与えてくれる。

2013/7/13記す。