都会の下町東向島が好きだ


 かれこれ40年も前の話です・・・
 上京して予備校に通いました。お金も無い私は、高校時代の同級生が住む東向島のアパートに、一時期居候をさせてもらいました・・・

 東向島の地名を覚えているのですが、そこでインターネットで地図検索をしても、曳舟駅から先が皆目検討がつきません。地番も今になっても分かりません。

 覚えているのは、近所にお風呂やさんとお風呂屋の前でにあったおでん屋さんですが、風呂上りにラムネを飲んでは、この屋の娘さんと話したり、時折、風呂屋の娘さんが会話に入って、とても気の和むひと時でした。

 巨人の野球中継があると、風呂ががら空きであるのに、ナイターが終わると一気に風呂は超満員になる。芋を洗うが如く、もたもたしているとカランも使えない。地域の特殊性がそのまま浴槽に現れる銭湯でした。要は、ナイターの最中に入浴してしまえばいいのだ!

 大学受験浪人をしていた僕は、この時分は受験の不安と合格への希望とが混在するなかで、風呂に入ることだけが唯一の息抜きだったと言えますが、東向島の何とも表現の仕様が出来ない、下町の雰囲気が大好きでした。

 居候を願った同級生も、建築の専門学校を終えると田舎に帰り、郷里で会社を起こしました。その後会社も段々大きくなり、今も第一線で頑張っておられます。私とは共に大志を抱いて上京した仲間であり、大成したことをこころより嬉しく思っております。今でも親交がありますが、私が頭の上がらない友人の一人です。




2008/03/02 (日)