主権国家といえるか


 私は、敗戦国日本であることを認めるし、先の大戦でアジア諸国の人々に迷惑をお掛けしたと言われれば、これも言いたいことはあるが、今は甘んじて受けようと思っています。

 然し、日本人の心身を愚弄する「日米地位協定」は、即刻破棄されるべきである。なぜならば・・・・・・・・・
 日本と米国の関係は敗戦による占領統治が解除された時点で、占領下における隷属関係は終止符を打った筈である。それ以降の安保条約が不平等条約であるとすれば、これでは名を変えた「人種差別」であり「黄禍主義」と言えまいか?

 日本人に対する在留米兵による略奪、強姦、暴行事件が繰り返し起きている。これは最新の出来事であると済まされるであろうか。闇から闇に葬られて泣き寝入りをしている同胞がいることは容易に想像が付く・・・

「米軍厚木基地所属の女性水兵(23)が、八王子市で横断歩道を渡っていた小学校3年の男児3人をワゴン車ではね、1人に鎖骨骨折などの重傷、2人にも足などに軽傷を負わせたにも拘わらず逃亡したが、警察に発見され緊急逮捕された事案であるが、日米地位協定などに基づき即日釈放されていたと・・・

 悲しい話ではないか!屈辱的な話ではないか!独立国日本は主権国家であることを、改めて世界の国々に唱えるべきである。米国が日本をリアル・パートナと認識するならば、米国政府は即刻日本に対する認識を変えなければ、両国のパートナーシップはその拠り所を失うであろう。

 敗戦国日本が、今日までの経済が復興した礎は米国に負うところが大きいし、自由と平等意識も米国によって齎されたことは日本人は否定はしない。学校給食で脱脂粉乳を飲んで育った団塊世代の私は、米国に恩義すら感じる。

 然し、恩義と自由とは違う。信義と隷属は違う。信頼は対等から生まれるものではないか?日本は自由を手に入れたが、日本古来の「恥じの文化」即ち武士道が、進駐軍によって粉砕されてしまたとも言える。

 わが国民は心して、「日米地位協定」の内容が、日本(日本人)と米国(米国人)とがきっちりと平等・対等であることの実現を図った後に「憲法の改正」を論議すべきだと思います。これを等閑にして国家を構築しても砂上の楼閣であって、場合によっては亡国につながることとなる。

 憲法の持つべき特質・特性からしても、国際世論に対しても是々非々が言える主権国家でなければ、何の憲法ぞと思います。

2005年12月29日