小中学校の夏休みの期間・時機の柔軟的見直し論

               
市議会議員 佐藤壽三郎


猛暑は最早偶然ではなくなった

 最近の猛暑は、地球規模の現象であって、最早特異なことではなく日常的にこの猛暑を捉える必要がある。
地球温暖化現象が、ここまで進んでしまったことについて、真剣に環境問題に取り組まなくてはならない。

 長野県はクーラーの普及率が全国平均より低い。標高(海抜)が高いこともあって、1日の寒暖の差が生じ朝夕は気温が下がる。高原に避暑を求めて訪ねれば、吹き抜ける風は涼を誘い、爽やかな風は都会人の憧れでもあった。然し、これも良き時代の話であって、そもそも善光寺平や、松本盆地の平坦部は、地形上は鍋底みたいな所であり、幼いころより照り返しが強いが、救いはスカッとした暑さであった。信州と言っても最近は日中の温度は35度を超えることもある・・・

 このような状況から、最近はこの信州の各市町村の学校でエアコン整備の必要性を訴える機運が湧きあがった・・・
ところで、仮に学校にエアコンを整備したから全て解決とはいかないらしい。登校はまだしも猛暑が猛威を振るっている時刻に、児童や生徒を下校させることによって、帰路の途中で熱中症に陥る危険性も配慮しなければならないことの指摘もある。日没まで学校で待機することなのかもしれない。

 自治体が財政的にこれを一斉に叶えることは困難と思料される。そこで私案として、夏休みの取り方の見直しや、夏季間の授業の取り方の見直し、例えば毎日半日授業とする。或いは早朝の涼しい時間に授業を始めることとか、夜間に授業を行う。比較的標高の高い小中学校に疎開して授業を行う。或いは、3階建ての校舎のうち、比較的室内の気温が低い、校舎の1階、2階部分の教室で授業緒を行う等の発想の転換が必要なのかもしれない。

 前記のとおり、須坂市は低地から山間部の学校までの標高差は下記に示すように、約260mもあることが分かる。このことも大きな避暑授業のヒントとはならないか。みんなが知恵を出しあって「須坂の宝」たる児童・生徒を守る対策を考えよう。

 北半球は、台風が日本列島を東から西に移動する有史以来の珍現象が起き、雨の量も予想を遥かに超えたなっている。猛暑により自然のバランスが崩れ、北極海の氷山が分離して漂着したり、欧州、米国の想像を絶する規模の山火事は、鎮火の目途もたたないらしい。
日本列島だけではなく、今や猛暑に包まれて北半球はマヒ状態である。国を超えて何とかしなければ、人類の生存の危機に絡む問題として、抜本的な解決が子孫のために必要だ。これを怠ると地球の破滅につながりかねない。


平成30年(2018)7月5日