岡信孝絵画を600万円で購入する是非論


               市議会議員 佐藤壽三郎

 思うに、市は、岡信孝画伯から絵画を購入されたい申入れに対し、一度は断るも、再度の購入申入れを受けて、市は市の単費で購入することは、現下のコロナ禍諸課題等に対応する諸費用の出費を勘案するに購入は難しいと判断して、クラウドファンディングで原資を満たすことを停止条件とし、絵画購入の手法を選択した。

 クラウドファンディングにより、絵画購入額600万円の原資の目途がついたので、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るために(行政手続法第1条)、教育委員会は文化財取得審査会に、絵画取得に関わる価格を含め諸々の妥当性を諮問した。
諮問については「岡氏の絵画に限らず、これまでも版画美術館の作品購入等をする場合も、この流れでやっているので特別な手続きではない」と、予算決算特別委員会福祉環境分科会の審査席上で担当職員は説明をした。

 この文化財取得審査会の会議が、市民に公開されなかったことを、殊更に強調し異議を唱える者もいるが、これは審査会での審査委員の自由な意見を求めるため発言の保障をすべきと、委員会が決したものである以上、況や審査過程の議事録が後日公開されていることを参酌すれば、「行政運営における公正の確保と透明性の向上を図ることを怠った」とは思えない。審査会が非公開であったことを理由に、「審査会の開議の有効性」を問うことは難しい。

 而して、同審査会は市が定める手続きに則り開議され、「購入妥当」の結論を経て教育委員会に答申を為し、これを受けて教育委員会が絵画購入を決定した一連の過程は、将に適正なる手続きを踏まれたものであると思料する。

 依って、佐藤壽三郎議員は原案に賛成する。

2022.10.01