青春の追憶

向学心は齢(よわい)に関係なし


 2月12日、主催(公社)全国宅建業保証協会長野本部、共催(一社)長野県宅地建物取引業協会、長野県による平成25年度業者研修会に参加しました。私にとっては今年で連続36回目の研修会です。

 なぜ36年もこの研修会に怠けることなく毎年出席出来た訳は、当時30歳そこそこでふとしたことから宅建取引業に籍を置く身になって、この業者研修会に初めて出席しました。研修会で宅建業者は信頼産業を勝ち取るために、必須研修として掲げる「宅建業法」「不動産税制」と「不動産取引事例」の知識の研鑚をおこなっていること。更にこの研修会が毎年定期的に開講されていて、受講すれば最新の情報に触れることができることを感じました。
この3科目は、宅建業を営む上において、最も知っておかねばならない知識です。研修会の講師陣も有資格者であることは当然の話ですが、不動産取引に関しての実務家として精通した一流の講師でありました。私も宅建取引免許業者の金看板を掲げる以上、生涯に亘って「時流を知るために、最新情報を修得する」場として受講し続けようと、初回の研修会に出席して決心しました。それから51歳で市議会議員になるまでは、宅建協会の役員等も務めることもあって、比較的時間的余裕をもってこの研修会に出席出来ました。更に研修後もテキストを手元に置き折節に反芻することに努めました。

 然し、51歳で市議会議員に当選してからは、研修会が毎年1月下旬から2月上旬にかけて開催されます関係で苦慮しました。この時期は4年に一度、市議会議員選挙の時期と重なることもあって、選挙期間中の日程や、選挙後の議会の期日と研修会の指定会場の長野会場開催日が重なります。議会を最優先しなければならないために、どうしても指定された研修会場に出席できないことが過去に三度ありました。その時は、遠くは南信の飯田会場や東信の上田会場、更には中信の松本会場に足を運んで研修を受講しました。前日に移動してビジネスホテルに泊まりこむこともありまし。

 足かけ37年の歳月は様々な事情や支障があり、初心が挫けそうになったこともあり、決して平坦なものではありませんでした。それでも初志貫徹がモットーとして日程の遣り繰りをしました。長野会場以外の会場にご厄介になると、

 かって県宅建協会役員として一緒に行動をした仲間が支部の幹部になっておられて、温かく受け入れてくれました。若き日に培った仲間意識の絆は、生涯に亘って不滅であると感じる瞬間です。ある時期に機関の役員を務める有効性を知る思いです。

 取引主任者の法定講習も同様で、議会との日時の調整が付かないときは、宅建業協会の計らいで岡谷会場や松本会場に出向いてことなきを得ております。言うなれば、本人の意志もさることながら、宅建業協会の役員や職員、支部の役員の皆さんの御尽力そして家族の協力によって36回連続の偉業が成し遂げられているものであり、幸いなことに健康で毎年この研修会に学べることを感謝しています。36回は実は36年の歳月を要したことを意味します。将に継続は力なりと申せます。

 今年の研修会は、「民法改正・土地に関する瑕疵について」と題して、民法改正に向けた動向と経緯、論点、ポイント等について、「民法改正動向と宅地建物取引のあり方に関する研究会」に名を連ねられる柴田龍太郎弁護士が、自ら講義をして下さり受講できたことでした。受講して、現行民法の債権編が大きく改正される印象を持ちました。手持ちの研修資料を一読すると「民法改正中間試案のポイント集」には、61ポイントに亘る改正の要点が記されておりました。これはある時期に集中的に読破しなければならないし、場合によっては大学の民法集中講義等に参加できる機会を得て、学び直さねばならないと感じます。この歳になって大学に再び学べることを今から楽しみにしております。

2014年2月12日記す。