子育て就労総合支援センター条例の制定

市議会議員 佐藤壽三郎


 小職は、二十歳代を東京で過ごしました。都心のターミナルから放射状に繰り出す私鉄各線の郊外の駅前は、何れも商業施設が占め商売も盛況していて、賑わいの街づくりの核として寄与していました。郊外に住む人たちの通勤・通学の足は専ら鉄道やバスを利用している日常生活は、当時も今も変わりはありません。

 ところで、須坂駅前も昭和30年から50年代にかけては、都会同様に長野電鉄を軸とする生活パターンであり、朝夕には駅前に人々が集まり、駅周辺区域の商業施設には人々が集まり、賑わいの役割を果たしていました・・・

 然し、都会と地方の市町村にある駅との違いは、一家に2台のマイカーの普及が進み、持ち家比率が高いことの違いが大きく都会とは違う地方の社会生活は、先ず通勤の足の変化が生じ、鉄道やバスを日常的に利用する人が著しく減少し、必然的に駅前の賑わいも大きく変化しました。即ち都会とは生活パターンが異なり、駅前事情も全く違うことを認めざるをえません。

 国の施策も人口減少・高齢者社会に対応するために、子育て支援を高らかに掲げる現下の国策を考慮し、更に須坂市の現在の子育て支援センターが「狭隘」「駐車場が少ない」との声が、利用者や子育て支援センターに携わる関係者から、市長や市議会議員に「シルキーに子育て支援センター開設を」の要望が寄せられている市民要望もあります。

 インター周辺等開発特別委員会の委員長の職にある小職においては、一方で「中心市街地の活性化を図る」ことも課せられた任にあることを鑑みる時、須坂駅前の商業ビルであるシルキーに「子育て支援センター」を設置することは、集客を命題とする商業区域の特質自体の足かせに繋がりやしないか、商業区域としての資産価値が下がりはしないか、このことが市の固定資産等の減収等々を遠望するとき、正直なところ反対です。

 然し乍ら、須坂駅前の現実や国策である「子育て支援」の実現を図らねばならない社会情勢をも参酌し、シルキーに「子育て支援センター」を設置することは、都市機能の変化の見定めも必要かと自問自答し、「子どもは須坂の宝」と唱える小職の政治信条に立ち返り、本条例案は賛成としました。

2021.9.30