ジョン・F・ケネディ著「勇気ある人々」の読後感想

市議会議員 佐藤 壽三郎

お盆の休み中に私は、少年時代から憧れたアメリカ合衆国第35代大統領ジョン・F・ケネディが、卒論に書きしたためた「勇気ある人々」(発行・英治出版)を読みました。雑用が多くて一日中読書をすることが叶いませんが、忙中閑ありの心意気で努めて読書に精を出しました。ケネディが選んだ8名の政治家の殆どは私の知らない政治家でしたが、私にとっての無名の政治家の「勇気ある政治信条・政治活動」が現代のアメリカの自由と正義の精神を支えているのかなと感じました。

昨今、地方議会においてポピリズムと思われる風潮が見受けられます。この場で敢えてするのかと思われるレベルの質問、十分な裏付けのないままする「市民の声」としての取次発言等、一歩間違うと名誉棄損や風評被害に繋がり兼ねない発言内容です。取り上げる課題に対して、仮令事実であっても、相手方の社会的信用の低下の度合いや業務上の信頼関係の毀損の大きさ等を斟酌しての発言をすべきと感じます。

議員として須坂の将来を遠望するに、妥協してはならない視点として、意思決定にあたって勇気をもってこれを阻止せねばならないものもあります。その政治評価は後世の郷里の子孫に任せるとして、現時点で収集した情報による分析での展望を提言せねばならない。そのためにも意思を貫く勇気が必要である。この「勇気とは何ぞや」の問いを、古希を迎えた今夏に改めて見つめ直したい一心で、頁を捲くりました。議員にとって大変有意義な一冊と感じます。


平成29年(2017年)8月31日