「泉小路拡幅」実現までの経緯と顛末について

市議会議員 佐藤 壽三郎


 小職は昭和22年8月、当時の須坂市の繁華街であった上町・穀町・北原町に跨る泉小路で生まれました。上京するまでの少年時代はこの街で育ちました。言わば生粋の町場育ちです。

 東京から帰坂後は境沢町に居を構えました。平成11年に市議会議員になって生まれ在所の上町とは様々なことにおいて心の拠り所でありました。そんなこともあるなかで、平成17年泉小路沿線の住民の皆さんより「泉小路拡幅の陳情」(※泉小路とは、金井原通りの旧木内写真館から、本町通り(国道406号)に接する旧涌井青果店までの凡そ300mの区間)を受け、「泉小路活性の会」の組織を立ち上げました。この組織を駆使して執拗に泉小路拡幅の有効性・必要性を須坂市に説き伏す活動を致しました。

 この甲斐あって、須坂市は「泉小路(八町線)拡幅の事業」を平成23年着手され、令和2年11月20日開通式を執り行い、泉小路を挟んで上町・穀町・北原町の地域住民が凡そ80年余の間、市道の拡幅を祈願していた思いが茲に成就出来ました。生れ在所の泉小路がこの度拡幅され、泉小路区間の一方通行が解消され、この界隈の課題であった、万一の場合の火災、救急等の緊急自動車の運行も容易に適い、震災等の避難路としての確保も整い、更に上部地域の皆さんが容易く屋島橋経由で長野市にアクセスできることが可能となりました。

 泉小路拡幅事業に先立ち、本町通りと劇場通りには挟まれた「狭隘住宅区域の住民の解消として、穀町コミュニィー、上町コミュニティーの建設に伴う住環境整備が図られ、この事業が終了した時点で泉小路拡幅事業が起動した言わば、周辺地域を俯瞰的に捉えた都市計画による公共事業がなされたことを、高く評価したいと思います。

 泉小路拡幅事業成就のために、ご協力を賜った地域住民の皆さん、泉小路で生まれ育った由縁で、「泉小路活性の会」の設立時に小職の役員指名を快く引き受けられ、ご尽力を賜るも本事業の成就を見ないで故人となられた、丸山眞氏、今井元朗氏、神林夏雄氏、佐藤千重郎氏に茲に慎んでご報告と感謝を申し上げ、仁義に濃かった故人に「生涯不忘の誠」を捧げます。

 末尾に、この運動をサポート下さった須坂新聞、STV(現・Gooliht)の報道機関に衷心より感謝を申し上げます。


2022年12月4日