正月に 間に合ったかと 雪だより   壽茶  


佐藤壽三郎の議員活動報告詳報
ことぶき月報(No.123) 2008年12月号

終世書生気質:千曲のかなた をご覧下さい。


【 12月定例市議会のあらまし 】

 金融危機は経済危機となって世界中を席捲し、日増しに路頭に迷う人々が溢れております。日本は終戦直後の様相をさらけ出そうとしています。12月一般質問で私は「金融危機の襲来によって須坂が抱えるであろう諸問題」について、多面的に想定して市政を質しました。マネーゲームの破綻と経済神話の瓦解を捉えたかったからです。

 27日付の新聞は「非正規」失業8万5000人と報じております。混沌とした世界の不況情勢は何か底なし沼にはまったような気がしてなりません。今こそ政治は政(まつりごと)に戻らなくてはなりません。民に篤い政を奉じるべきであります。

 本年も変わらないご指導ご鞭撻を賜りありがとうございました。市政全般に亘る苦情やご意見を来年も、今年同様にお気軽にお聞かせ下さいますようお願い申しあげます。


※須坂市議会は、一般質問の映像をインターネットで配信しております。小職のホームページの「一般質問録画」クリックされ、「須坂市議会定例会録画中継」に進まれ、是非ご覧頂きご意見をお聞かせ頂きたいと存じます。


1.議会内活動として
(1) 事件決議の主なものです。
  (ア) 須坂市美術館等文化施設の指定管理者の指定に関するもの5件。
      私の姿勢 ⇔ 原案賛成  VS 本会議 ⇒可決

  (イ) 長野広域連合規約の変更 
      私の姿勢 ⇔ 原案賛成  VS 本会議 ⇒可決

  (ウ) 長野地区農業共済事務組合の解散と財産処分 
      私の姿勢 ⇔ 原案賛成  VS 本会議 ⇒可決

  (エ) 市道の認定2件。廃止2件。市道の変更4件 
      私の姿勢 ⇔ 原案賛成  VS 本会議 ⇒可決

(2)条例案の主なものです。
  (オ) 教育委員会の職務権限の特例に関する条例 
      私の姿勢 ⇔ 原案反対  VS 本会議 ⇒可決

  (カ) 須坂市蔵のまち観光交流センター条例の制定 
      私の姿勢 ⇔ 原案賛成  VS 本会議⇒可決

  (キ) 須坂市組織条例等の一部を改正する条例について
      私の姿勢 ⇔ 原案反対  VS 本会議⇒可決

  (ク) 須坂市農業共済条例等の廃止
      私の姿勢 ⇔ 原案賛成  VS 本会議⇒可決

(3)補正予算(案)です。
  (ア) 一般会計補正予算第4号 4,386万円
      私の姿勢 ⇔ 原案賛成  VS 本会議⇒可決

  (イ) 一般会計補正予算第5号 2億5,448万6千円 
      私の姿勢 ⇔ 原案賛成  VS 本会議⇒可決

  (ウ) 国民健康保険特別会計補正予算第3号 4,338万9千円
      私の姿勢 ⇔ 原案賛成  VS 本会議⇒可決

  (エ) 下水道事業特別会計補正予算第2号 △500万4千円 
      私の姿勢 ⇔ 原案賛成 VS 本会議⇒可決

  (オ) 農業集落排水事業特別会計補正予算第2号 75万1千円
      私の姿勢 ⇔ 原案賛成  VS 本会議⇒可決

  (カ) 介護保険特別会計補正予算第2号 △204万円
      私の姿勢 ⇔ 原案賛成  VS 本会議⇒可決

  (キ) 後期高齢者医療特別会計補正予算第1号 △6,198万3千円
      私の姿勢 ⇔ 原案賛成  VS 本会議⇒可決

  (ク) 水道事業会計補正予算第2号 
        収益的支出 △3,026万7千円
        資本的支出  1,738万4千円
      私の姿勢 ⇔ 原案賛成  VS 本会議⇒可決

(4)今定例会で争点になった議案での私の採決理由です。

1)世界の民族人形博物館の指定管理者に関わる事件決議 ⇒ 賛成

【賛成理由】

 指定管理者を市の直営にすることは、市職員削減と民営化の促進を唱える小職は同調できません。指定管理者の指定を(財)須坂市文化振興事業団以外に、民間会社を公募するこの代替案を望むところですが、議案の性質上、賛成か反対かの択一であるため、私は賛成としました。


世界の民族人形博物館全景
2009.12.29 撮影



飯綱山絶景
2009.12.29撮影


2)生涯学習を市長部局に移管するに関わる条例案 ⇒ 反対

【反対理由】
 生涯学習は、個人の自発的な意思により好きなときに、興味のある分野の学習をするにあると思います。この学習の機会を如何に市民に保障するかが大切な手立てであり、今定例会の争点でありました。生涯学習の成果を利して、
 @ 地域の実情と住民のニーズに応じて、「地域づくり」という観点から、他の地域
   振興等の関連事業とあわせて、効果的に事業を実施すること。
 A 市民と行政との多方面による情報のやり取り。
 B 生涯学習で学んだ成果として地域の様々な課題を発見等。

 これらは寧ろ「参政権」と捉えるべきであり、そもそも本来の生涯学習とは次元の違う話であります。参政権は何人にも保障された政治活動や政治信条として行動されるべきであり、生涯学習の保障と混同してはなりません。

 発言や行動が「(無節制に)何でも良い」とする感覚で、民主主義の仕組みや機構を溶解させるような手立ては、結果的に社会の秩序を崩壊させてしまいます。これを放任しておくことは、取り返しのつかないこととなりかねません。

 一般質問で主張したとおり、法律が改正され可能となったからとして、即座に今まで運用してそれなりの成果が出ているものを、市長部局に所管を変えることは、行政と言うより政治に迎合した生涯学習制度であって、とても賛成することはできません。教育委員会に喝を入れたい思いで反対です。



3)湯っ蔵んどに関わる 補正予算 ⇒賛成
湯っ蔵んどの指定管理者の公募にあたり、叶{坂健康福祉ランドから償却資産を3,297万9千円で買い取る案件。

【賛成理由】
 市民の健康と福祉の増進及び観光振興を目的として、 平成9年に、湯っ蔵んどは須坂市の施設として建設されました。誕生の折にこの施設を運営する会社として、第三セクターである叶{坂市健康福祉ランドが設立されたものであります。施設建物の所有者は須坂市。運営会社は須坂市の第三セクターである法的関係を、今更設立時に遡ってその事実を歪めることは何人もできません。商法や税務等の法に則って今日まで運用されて来ているからです。

 今回、償却資産を施設建物の所有者たる須坂市が叶{坂市健康福祉ランドから買い取る法理は、当事者間の財務的な清算(所有権の一本化)と言えます。建物に取り付けられた設備については、民法の添付制度における附合(§242・不動産所有者)によって処理されるか、取り壊しの選択しかないのではないでしょうか。凡そ3,300万の価値があるものを、「無償譲渡しなさい」と叫ぶ主張は社会的妥当性を欠くものであり、新たな問題を抱えることとなります。亦、取り壊しを選んだ場合には、設備投資の債務が残存するか否か。その債務を誰が負担するかが問題となります。設備は取壊しによってバラバラになれば、くず鉄の値打ちにしかならないことを考えると、民法の附合により財物として処理することがベターです。

 叶{坂市健康福祉ランドが、十分に議会に果たしてきたのか否かを、不十分だと指摘する議員もいますが、議員に与えられた質疑の行使であれば当然な話ですが、議員として権限踰越(ゆえつ)の行為は許されません。思うに第三セクターの議会への報告義務と議会の権能の明確さが曖昧であることが、大きな課題であると思います。

 思うに、仮に叶{坂市健康福祉ランドの運用において、議員が質疑から踏み出て疑義があるとするならば、議会に対して十分な調査を発議するなり、或いは告発等の法的手続を求めるのが本筋であって、議員が巷談に陥ってはなりますまい。故に、須坂市と叶{坂市健康福祉ランド間で、法に適った財務処理をすることに何ら異議はありません。粛々と財務処理を行なわれても仕方のないことと思います。

 一日も早く、湯っ蔵んどの健全財政の建て直しに市民は協力すべきであります。それには市民は「ただ券」だけで湯っ蔵んどに行くのでなく、身銭を切って年に一家で6回、二ヶ月に1回利用すれば、湯っ蔵んどは市民の施設として、健全経営が図られるのであります。


【第三セクターと議会の関係】
 地方公共団体の出資比率が二分の一以上である第三セクター及び地方公共団体が資本金等の二分の一以上の債務を負担している第三セクター等の経営状況については、議会への報告義務が定められている(地方自治法第243条の3)が、これらの場合以外でも、地方公共団体が筆頭株主である等出資の状況や公的支援の状況、更には債務超過であること等経営諸指標(経常収支比率、流動比率、自己資本比率、有利子負債比率等)の状況等を総合的に勘案して、必要があると認められる第三セクターについては、適宜議会にその経営状況を説明するようにすること【第三セクターに関する指針の改定・総務省資料より抜粋】と総務省は指針を示しています。


市民の憩いの場・湯っ蔵んど


(5)今定例会に提出された陳情と意見書に対する私の賛否です。
 1)介護労働者の処遇改善を求める意見書の提出 ⇒ 賛成
 2)介護保険制度の抜本的改善を求める 意見書の提出 ⇒ 賛成
 3)所得割重視の国保税(料)を求める 意見書の提出 ⇒ 賛成
 4)介護保険料を所得比例中心に変更することを求める 意見書の提出
   ⇒ 賛成
 5)須坂職業安定所の存続を求める 意見書の提出 ⇒ 賛成


(6)一般質問
 今12月定例会において、15名の議員が一般質問に立ちました。それぞれの視点を以って市政を質しましたが、金融危機に絡む課題や湯っ蔵んどに関わる問題が注目を浴びました。

 私の一般質問は、生涯学習の市長部局移管に対する異議と、金融危機に伴う、地方の小都市住民の生活不安を如何に解消するかでありました。小回りの効かない国。自主財源が乏しい仲立ちの県。財政的裏づけと施策の狭間にゆれる市と歯痒い限りでありますが、今度の経済危機ばかりは世界中の問題であり、国ものほほんとしておれません。


 (7)村山橋第2期線開通式に参列
 千曲川に架かる現在の村山橋は、大正15年に永久橋として架設されました。橋の長さは凡そ814m、車道幅員5.5m、鉄道3.8mで赤褐色の鉄橋(現在は濃い黄緑にペンキ塗替え)は、私たちの誇りの橋でしたが、車社会において1車線の相互通行では、渋滞が常習的であり、鉄道と共用であることもあり、長野市側の鉄橋脇にある踏切は大変危険な踏切となりました。亦、千曲川の河床が相対的にあがってしまったのか、降雨量が多いのか大雨が降ると、橋桁に川面が触れるぐらいになって危険であることから、鉄道の運行が中止されることも近年は見受けられるようになりました。酷使に酷使をしたために橋自身の老朽化が指摘されるようになりました。

 そこで、現在の村山橋の上流に4車線の道路と鉄道橋の建設が平成10年より架け替え工事が進められ、本日(12月22日)に新村山橋の長野から須坂に向けての車道部分が供用開始されるにあたり開通式がとり行なわれ参列しました。

 参列者は長野県知事、衆・参議院の国会議員、地元県議会議員、長野市、須高三市町村の首長と議会議員、国土建設省関係者等凡そ150名が参列し、橋の安全を祈願しました。

 北信地方の歴史がまた一枚書き換えられたと言える。子々孫々はこの新村山橋に郷里を屹度感じてくれるであろうと感じました。



長野から須坂に向けての橋の開通
2009.12.22




やがては取壊される旧橋から開通式を待つ新橋(黒色)
2009.12.21 撮影



二度と見れなくなった旧村山橋の風景
2009.12.21 撮影



(8)須坂市都市計画審議会
  平成20年12月24日午前10時〜 市役所305号会議室
  審議事項:須坂市都市計画道路の変更について外。

【示された変更理由】新潟中越地震や岩手宮城内陸地震等の教訓を真摯に受け止め、須坂市に於いても都市防災機能を充足させる観点で、早期に当該街路事業に着手する必要がある。さらに平成17年度に発足した沿線地権者を中心とした「泉小路活性化の会」との研究や協議の下に計画変更提案を示されている。1.都市防災機能としては、12m以上の幅員の確保があれば十分。2.歩道機能としての歩道幅員3.5mが確保できること。3.本路線が須坂市内の内環状道路網の他の路線と整合性があること。これらを踏まえて都市防災機能の向上と市街地の内環状道路網の一部を構成する幹線街路としての整備を早期に実現するため、既決定幅員18mから16mに幅員変更を行なうものである。

 私は、質疑・意見で、「地元地権者等の皆さん等の話合いで、16mに落ち着いた経緯は、地元の何が何でも道路拡幅と地域の再開発が悲願である妥協の幅員であることの経過を再度説明されたい」と発言し合わせて、一日も早い泉小路道路改修事業を提唱しました。

 協議の結果、審査議案は原案のとおり決すべきものと決して閉会しました。
     泉小路の道路拡幅と改修整備は大きく一歩前進いたしました。



2.【私の議会外議員活動】

(1)市との協議
   道路河川課と.境沢町の市道について
   まちづくり課と.補正予算について。
   まちづくり課と.境沢町町内の、道路の出入口に関する陳情。
             道路舗装に関する陳情として、町内を現地踏査致しました。
   税務課と.高次脳障害者の自動車税の免除されたい陳情の取次ぎ。
   商工観光課と.叶{坂健康福祉ランドの取締役会議事録の確認について。
   まちづくり課と.須坂市都市計画審議会の議決と今後の方針について。


【北信濃鏡】12/1市内企業と面談 /2全員協議会、12月定例会招集 /3現地視察 /4議会運営委員会、市民相談 /5一般質問起案 /6 行政相談、メルマガ配信 /7市民相談 /8市民相談 /9〜11一般質問 /12陳情現地踏査、星川出向 /13市民相談 /14 市民相談 /15陳情取次、福祉環境委員会審査 /16経済建設委員会審査、懇親会 /18 会派調整会議 /19議会運営委員会、全員協議会、議会閉会 /20メルマガ配信 /21 市民相談、議員協議 /22村山橋2期開通式、議員懇談会 /24都市計画審議会、懇親会、メルマガ配信 /25市民相談 /26議員懇談会 /28 月報発行 /29 月報配布


今月号は佐藤壽三郎メールマガジンVol.310〜Vol.312をまとめたものです。

発行日 平成20年12月29日  
編集:発行人 須坂市議会議員 佐 藤 寿三郎
須坂市墨坂南1丁目(境沢町)