紫陽花の 色も冴えてや 雨滔々  壽茶  


須坂市議会議員佐藤壽三郎の議員活動報告詳報

ことぶき月報(No.105) 2007年6月号

  終世書生気質: 千曲のかなた をご覧下さい。



1.

【6月定例会のあらまし】


1).本会議の概要報告
 本定例会:6月4日召集(会期23日間)。26日に本会議を再開し、事件決議2件、条例2件、補正予算4件、人事案件1件、諮問1件、意見書2件をそれぞれ原案とおり可決し閉会しました。


2)一般質問について
 今定例会の一般質問通告した議員は14/19(議長を除く)人でありました。


@ 会派別にみると、改新クラブ、市民21、共産党に所属する議員は、全員が一般質問を行いました。


A 当選回数別に見ると1期議員は7/8人、2期1/2人、三期議員は4/6人 4期議員は1/2人、5期以上は0人でした。


【議会に提出された請願4件の私の姿勢について】

○「公共工事における賃金等確保法」(仮称)の制定など公共工事における建設労働者の適正な労働条件の確保に関する意見書を求める請願
 ⇒ 採択に賛成 (委員会審査 ⇒ 採択 本会議 ⇒ 採択)


○「義務教育費国庫負担制度の堅持」を求める請願
 ⇒ 採択に賛成 (委員会審査 ⇒ 採択 本会議 ⇒ 採択) 


○ペット火葬場建設計画に関して、「須坂市の玄関口としてふさわしいインター周辺となるような土地利用計画を見直すこと」の請願 
 ⇒ 採択に反対 (委員会審査 ⇒ 不採択 本会議 ⇒ 趣旨採択)


経済建設委員会で審査した請願を不採択とする私の考え方

@ 審査に先立ち、建設が予想される本件土地は、市街化区域であり用途区域は工業区域であること。地区利用計画制定の経緯を担当所管課に確認しました。


A 審査に先立ち、ペットの火葬に関しての法的規制は、昭和52年に厚生省所管の回答として、産業廃棄物扱いとしないこと。いわば規制外であることを担当所管課に確認しました。


B 審査に先立ち、この回答以来、国、長野県、須坂市では、ペットの火葬に関する法律もしくは条例が存在しないことを担当所管課に確認しました。


C 法の運用にあたって、行政法規には行政の限界があること(成文法の欠点として)、日本は行政法規で仮に救えない場合の最終判断は、司法(裁判)に期待していること。


D 行政法規の目的を、行政執行者が恣意独断的に解釈することは許されないこと。但し明白に急迫した市民の生命・財産にかかわる状態での行政処分は、前段と次元の異なる行政行為であること。


E 請願者に紹介議員を介して、「しからば土地利用計画案の具体案の提示を」求めたところ、何等その具体案はなく、単にペット火葬場建設反対の意図のみと推察しえること。


F 既に長野県住宅部より、本件土地にペットの火葬場の建築許可が出されていることは、県の所管課で十分な検討がなされ許可が発せられものであり、手続的に違法性はなく、県の許可専権事項にこれを覆す言わば市議会が司法的作用をすることになじまないこと。


G 法の支配による目的を鑑みるとき、市民による遵法精神によってのみ、その目的が達せられるものであって、行政や議会が恣意的に法律を歪曲することは、法の支配の崇高な目的達成を自らが壊すことになること。仮に須坂市が「ペット火葬場の建設に関する」条例を俄かに制定しても、既に長野県が本件土地にペットの火葬場の建築許可が出されている本件事案について、遡及して制定した条例を適用して建設を阻止できないこと。


等C〜Gの理由を勘案するとき、当経済建設委員会に提出された本請願は、地区利用計画変更を求める内容であるので、「不採択」とされたい旨の意見を発言しました。


○ペット火葬場建設計画に関して、「地域の環境等を考慮し住民の意思を生かした行政指導を行うこと」の請願 

 ⇒ 採択に賛成  (委員会審査・本会議とも趣旨採択)



福祉環境委員会で審査した請願に対する私の考え方

 「地域の環境等を考慮し住民の意思を生かした行政指導を行うこと」に関しては、環境に及ぼす諸々の懸念を行政が建設予定者に問うことであるので、この願意は妥当であると考え賛成です。審査の結論が正反対でも矛盾はないと考えます。


2)経済建設委員会の争点

  ○工業課:補正 1,000万円 勤労者福祉事業
  ○農林課:補正52万7千円 産地ブランド推進事業
  ○道路河川課: H18年度分補正 道路改良事業 △3429万5千円
  ○まちづくり課:補正 予算の組み替え 0円
  ○水道局:水道事業借換債の借換え  3億2698万9千円
  ○ペット火葬場建設計画に関する請願 請願者:井上町


◎ 経済建設委員会の現地視察について。

@ 平成19年6月8日午前9時〜


 ○市営北旭ヶ丘団地:空家状態の現状把握と建物が老朽化した市住の再生の手がかりを知るため現地視察しました。

   

市営北旭ヶ丘団地




 ○竹風堂(株)松川工場:本工場は旧須坂鋳造の跡地を取得されて新工場を此度新築されました。その折須坂市は、平成18年地域総合整備貸付金(ふるさと融資)として2億円を融資(利息は75%国。25%は市)し更に市民5人の雇用、固定資産税のメリットがある。



 ○米子町:水力発電及び電気柵について。須坂市の地理的特性である傾斜地の水流と米子地区の安定した水量を活かした水力発電(約100W)によって、有害鳥獣対策用の電気柵に電力を供給する施設が完成し稼動していることの確認視察。

   

簡易水力発電装置



 ○須坂市動物園:獣舎の檻の老朽化を総点検しました。



 ○井上町:ペット火葬場建設計画に関する請願地の状況を把握するため建設予定地を検分しました。
   
ペット火葬場建設予定地


A 平成19年6月14日午前9時30分
 ○まちづくり部:「北旭ヶ丘西公園内にある遊具の一種である「遊動木」から小学6年生の男児が転落負傷した。原因は遊動木のアームを固定するピンが外れていたのが原因」との報告を受け、経済建設副委員長として之を了知しました。


B 平成19年6月14日正午
 ○水道局:須坂市日滝の配水地から日滝原工業団地内に新築された工場に給水作業を始めた折、緊急遮断弁が作動してしまい、本郷地区、虫送り地区の一帯が断水し、回復後濁り水現象が生じていることの報告を受け、経済建設副委員長として之を了知しました。


3)議会運営委員会

         須坂市議会、請願の表決方法を変更!
 
 当市議会は、今6月議会より「趣旨採択」を採用し、採択、趣旨採択、不採択の三段階とすることを、平成19年6月26日の議会運営委員会で取決めました。


 議会運営委員会の席上、私は「趣旨採択は極めて曖昧なものであり、『一部採択』や『看做し採択』を包含するととすれば、仮に十段階で喩えるならば、1が採択、10が不採択とすれば、2〜9までが趣旨採択の範疇となり、極めて幅の広い曖昧で不透明な小賢しい政治家の八方美人表決になってしまう」と採決方法の変更に異議を唱えましたが、「全国市議会議長会の見解を他市も採用している」とのことで、当市も採用に踏み切ることと相成りました。


         問題なのは三通りの定義である!


 そもそも「趣旨採択」とは、請願の事情を斟酌しても、とても賛成とは言えない場合に、実質的には反対であるときの議会の結論であり、これは極めて『不採択』と紙一重の意味を持っていることに留意しなければならない。


 議員は、行政用語の『定義』を解さなければ、議員活動はできない。今回の請願について、果たして議員がこの定義を理解して、今回の請願の採決に臨んでいたかである。「趣旨採択」が持つ意味を市民が知ったときに、「議員は意味も解さず採決しておるのか」「迎合主義に陥っていないか」「好い加減な審議だ」と却って市民から侮られることを心配します。
 

 その点、改新クラブ、須坂フォーラムの面々は、願意を十分に理解し、「須坂百年の計を念じて制定された地区利用計画(平成11年に市が制定)に対して、安直に土地利用計画を見直すことには慎重にことを運ばなければならないことを含めて反対!然し、法律制定時に考えられなかった想定外のことについては、市民の福祉面から環境等を考慮し、住民の意思を生かした行政指導の対応を求める願意については、政策調整に市民要望を組み入れることには賛成であるとしました。


 この二元的な採択に対して、明確な説明と説得力があると、市民より高く評価されました。




2. 【私の議会外議員活動報告】

 6月30日、スザカ迎賓館において、須坂市日中友好協会(会長・三木正夫氏)の創立50周年記念式典が、薛(セツ)剣中国大使館政治部一等書記官、王朝輝中国大使館書記官らをお招きして執り行われた。


 式典に先立ち、日中友好会館常任理事呉従勇氏が「最近の中国と今後の日中関係」と題して記念講演が行われた。


 記念式典では、三代会長久保好正氏、五代会長永井順裕(前須坂市長)氏へ感謝状が手渡され労苦を労い、村石県議等来賓の祝辞を得た後に祝宴に入った。


 須高地区から、首長、県議、市議、副市長、教育委員長、教育長、市関係者、経済界、文化人、友好協会会員と様々な人々凡そ130名が参加して、須坂市日中友好協会創立50周年記念を互いに祝い、平和の大切さを再認識して散会しました。
   
   
 創立50周年記念式典
  




3.


【 地方議会と市議会議員:一般質問 】

6月定例会に質した私の一般質問の背景をお示しします。

 6月14日の一般質問で、諸問題6件に亘る質問をしました。特に「質問6」の「憲法問題について」の課題は、STVの「一般質問中継」を観ておられた聴視者からは「久々に感動した!心せねばならない課題だ!」との高い評価を受けました。


1). 姉妹都市について

 新発田市(新潟県)との姉妹都市は、紫雲寺町が新発田市と合併することにより、そのまま受継がれています。新発田市は須坂市と同様に城下町独特の「背筋が伸びた」町である気風のある町と聞いています。

 思うに、地方分権時代の姉妹都市関係は、単に友好親善の親睦関係では用をなさない。お互いの市が持つ、特産や工業、商業、観光を、「対等互恵に推進める」外交関係と捉えなければなりません。


 朝鮮半島や大陸との日本海交易は、少なからず復活する目論みの中で、須坂市は直江津港と新潟港を「須坂市の橋頭堡」と政策的に睨んでの、長期ビジョンを持つ必要であると読んで、私は市長に姿勢を質しました。


             姉妹都市・新発田市
             姉妹都市・三浦市


2).防災行政無線の傍受について

 「内閣府政府広報室」の調査によると、住民の凡そ62.4%は、住んでいる市町村が発表する「防災情報を直に聞きたい」強い要望があるとのことです。


 思うに、須坂市は入手した防災行政情報を如何に「正確に・早く・的確に市民に伝える」手段を確保しなければならない時代です。


 屋外防災行政無線は、晴天の日を想定したものであり、暴風雨の時に用をなしません。暴風雨の時にも、或は地震の時にでも「外に出て防災無線を聞いてください」の無神経さに唖然としませんか。各世帯への携帯防災行政無線ラジオの普及こそが「正確に・早く・的確に市民に伝える」手段であると確信します。


 災害による二次被害を最小限にとどめることに、行政は心血を注がねばいかんとする小職の信念を市政にぶっつけました。


           防災行政無線ラジオに力を入れる岡谷市


3).遊具の危険性について

 遊具は幾つかの種類があるが、箱ブランコや遊動木は一度事故が起きた場合に、幼児の命をも奪ってしまう。全国で1年間に3400台の遊具が撤去されているそうです。


 思うに、市内の保育園や公園等に設置されている遊具の安全性と実情について、どのように補完がなされているかを質しました。更に、遊具に対して須坂市独自の安全な遊具の創作が為され、全国の保育園等に「須坂モデル」として発信して欲しいと念ずるために質した心算でしたが・・・・。


 一般質問日の前日(6月14日)「北旭ヶ丘西公園内」にある遊動木による負傷事故が発生し、市は遊具の使用禁止措置を発表した。箱ブランコ、遊動木、回転搭の遊具については、「公共の遊び場において相応しくない遊具」と平成14年10月に(社)日本公園施設業協会が指摘しています。


4).須坂市動物園について

 ハッチ一家の人気ぶりは、低迷していた須坂市動物園を一躍有名にした。「ちいさな動物園」として自認する市の動物園のあり方と「人気の流転」を勘案しての長期ビジョン質しました。


 思うに、須坂市動物園には、フラミンゴダンスを舞わせたら上手なフラミンゴ軍団。木登りをさせたら誰にも負けない熊、水筒を潜らせて地上に飛び出る得意技を持つペンギンが、得意技を披露できない侭、狭い檻や柵内で出番を待っています。何とか才能を開花させて、伸び伸びと活動して頂きたい。それには民営化の組織替えで株式資本で「動物園を大改築」しようとする目論見が脳裡をかすめました。

       “ハッチ一家”に会えます 須坂市動物園


5).一票の重みについて

 長崎市長選で、伊藤一長候補者が選挙運動中に射殺されるという、前代未聞の事件が勃発しました。長崎市のHPをみると、長崎市選挙管理委員会は盛んに「期日前投票」を呼びかけていました。


 候補者の射殺より、「追加立候補」が許されましたが、盛んに呼びかけていた「期日前投票」の1万5千票は無効となった事実を直視すべきです。これは明らかに民主主義の定義を根幹から揺さぶる問題であり、選挙制度のあり方について喫緊に解決しなければならない課題です。須坂市選挙管理委員会の問題意識を質しました。


6).日本国憲法について

 憲法は、日本国の最高法規であるにも拘わらず、最近の風潮は、首相自らが憲法を時代にそぐわないとして、改憲一点張りの「憲法を蔑(ないがし)ろ」にした空気が蔓延しています。法を形骸化することの報いは国の瓦解を招きます。亦「法治主義」と「法による支配」の意義を混同している人も、世の中に沢山おられます。


 特に世界の人々が衆望する、我が国の「平和主義」は、ポツダム宣言を受諾したあの日より60年間、大国の思惑に翻弄されて、時々の内閣も「憲法の拡大解釈」を重ね、外交は大国の思惑に沿い、文理解釈において最早にっちもさっちも行かない飽和状態(臨界状況)に陥っています。こんなことをしていれば主権国家日本は、亡国の秒読みでしかありません。誉れ高き日本民族はその誇りを失おうとしています。


 市民の安寧を願い、平穏な生活を保持するために、須坂市民が採るべき道を摸索するために、市長に「憂国のこころありやなしや」を問いました。




【北信濃鏡】
5/18選対解散式 /21泉小路活性の会 /23 商工会境沢町支部総会 /28議会運営委員会、会派会合 /31議会運営委員会 6/1農業委員会・まちづくりと協議 /4議会招集、議会運営委員会、全員協議会 /8現地視察 /11 湯っ蔵んど等の決算報告会 /12〜14 一般質問 /21 経済建設委員会審査 /25 会派意見調整会議 /26 議会運営委員会、本会議、経済建設委員会、3期議員の会 /29寿会 /30日中友好50周年記念式典




 今月号は佐藤壽三郎メールマガジンVol.225〜Vol.233 をまとめたものです

発行日 平成19年6月30日

編集:発行人 須坂市議会議員 佐 藤 壽三郎