侘びしきや 夜毎かすれし 虫の音に 壽茶

會報ことぶき 月報(No.84) 2005年9月号

(須坂市議会議員佐藤壽三郎の議員活動詳報)



終世書生気質: 「高原の旅愁」と恩師


 この歌は、ご存知伊藤久男の名曲である。信州の情景を歌いこんだ歌詞に、私の友人はこの歌に酔心して「信州の第二県歌」として普及に努めている。第一県歌は勿論「信濃の国」である。

「高原の旅愁」の歌詞内容は、将に青春時代に誰しもが出会い体験したか、或は心の奥底に秘めた淡い想いであるのかもしれない。

 高校時代の担任は山が好きであられた。夏休みには山に連れて行ってもらったものである。そう言えば、白馬の大雪渓に今年は惨事が起きてしまったが、僕らが登った当時も冷気に煙る雪渓で、アイゼンを着けて登った記憶は恰も昨日の様に思い出される。あの時一緒に登った仲間が先ごろ市職を去られたが、お会いして白馬の思い出を訪ねるとても眼が輝かれる。共通の思い出は理屈なしでその日に帰ることができるものである。

 山好きの先生は、年若くして亡くなられてしまった。ご健在であられれば、屹度喜寿のお祝いを迎える御歳であられたか?山小屋に関わる番組や日本百名山の番組を見るにつけ、「高原の旅愁」や「山のけむり」の歌とともに、山好きだった恩師や仲間と重いリックを背負って稜線を歩いたことを思い出す。

 少年老い易く学成り難し、昨日は少年も今は白髪頭に成りたる。歳月を光陰矢の如しと譬えることも漸く判る齢になってきた。



1.

【平成17年度9月議会のあらまし】


).
本会議関係 9月1日招集され、会期今月26日までの26日間


1)−2.一般質問の概要

 @9月6日〜9日、今議会は合計18名の議員が順次登壇し市政を質しました。時事問題としてのアスベスト関連の質問に集中しました。

 今議会の争点は、長野市若穂温湯(ぬるゆ)に来年4月にオープンする日帰り福祉施設に対抗するため、「湯っ蔵んど」の誘客力強化のための施設整備5700万円を認めるか否かであったと言えます。市民の反対者には、新築オープンする温湯施設に湯っ蔵んどは利用者が2割減するであろう予想を建て、これを1割減に押さえようとする手立てであることの理解がなく、徒に湯っ蔵んどの粗探しに終始する論陣を張る御仁もおられましたが、湯っ蔵んどの信用毀損も甚だしいと心ある市民から苦情も寄せられました。

−3.招集日における三木市長の行政報告の概要。

@8月28日に行われた、須坂市総合防災訓練には650人の市民が参加された。
A第四次総合計画の後期基本計画策定に着手した。
B「新エネルギービジョン策定計画」の策定作業に着手。
Cアスベストに関して、「吹付けアスベストを使用した公共施設の実態調査」を実施。
D「保育所のあり方検討懇話会」を開催し、保育所のあり方を検討してゆく。
E一般家庭から出される廃食用油の分別収集を開始したところ、1ケ月860gの回収となった。
Fゴミ指定袋を買いやすくするため、取扱の自由化を実施。
Gそっくりパトカーの導入について。
H地域安全サポーターを募集したところ約320名が集まり、9団体約350名が活動している。
I住民基本台帳閲覧リストを個人情報保護のため判別しにくくした。
J相之島排水機場について。
K「食と農の基本計画100人委員会」の提言の実践。
L8月22日、富士通本社を訪問し、須坂工場の存続と研究開発について要請をした。
Mコーディネート・アドバンス事業の成果について。外数項目を報告された。

−4.市議会防災委員会が実施されました。

 8月28日、須坂市総合防災訓練にあわせて、午前7時半に議会防災委員会は緊急招集訓練を行いました。

−5.8月28日午前8時からの井上小学校において「平成17年度須坂市総合防災訓練」に合流をし、実施状況を視察しました。訓練重点地域:井上地区。


参加機関:須坂郵便局外15団体。訓練終了時間:午前10時半


−2)16年度一般会計と特別会計の決算
【歳入】
  一般会計    189億3599万円
  特別会計    151億8134万9千円

【歳出】
  一般会計      183億1410万6千円
  (特別会計)
  国民健康保険     40億3650万3千円
  老人保健        47億1140万円
  奨学金           1035万7千円
  井上外3町財産区     634万1千円
  福祉企業センター    5262万8千円
  峰の原水道事業     1652万1千円
  下水道事業      31億1338万9千円
  農業集落排水事業  1億2628万8千円
  介護保険       26億2738万7千円

  (企業会計)
  水道事業会計   12億2413万1千円(収益的支出分)
  水道事業会計    6億7223万8千円(資本的支出分)
  宅地造成事業    3億4088万円  (収益的支出分)
  宅地造成事業    3億297万4千円 (資本的支出分)


   
−3)17年度 一般会計補正予算第3号概要
 4億2728万1千円を追加して、歳入歳出予算の総額を180億1933万7千円とする内容でした。

 ◎争点は、湯っ蔵んどの改修費5700万円を認めるかどうかでしたが、長野市が若穂・温湯地籍に建設する、福祉施設を睨んでの改修を考えると穏当な措置と考えるか否かが争点でした。


2−1).議会運営委員会

2−2).全員協議会

@ 9月17日午後1時半より 本会議場で
  第1回行政視察報告会を開催
 ◎本年度行われた常任委員会、特別委員会の行政視察報告会を行いました。

 視察報告順序と視察地
 総務文教委員会=旭川市、苫小牧市、千歳市、恵庭市。新潟県川口町、小千谷市。
 福祉環境委員会=北九州市、人吉市、川内市
 経済建設委員会=大宰府市、久留米市、うきは市、日田市
 市議会広報特別委員会=石川県志賀町、七尾市


A 9月17日午後4時20分〜 第4委員会室
  (改定)財政改革プログラムを総務部財政課より説明を受けました。


3). 会派代表者会議

@ 9月9日一般質問終了後から、議長応接室
議題:○須坂市議会の議決事件に関する条例を議員提出議案とする件。
    ○アスベスト問題について政府に意見書を提出することについて。
    ○一般質問における品位について。

A 9月17日 議長室にて開会。新風会は代理出席。
  ◎須坂市議会の議決事件に関する条例案の取扱について。
  政和会=時期尚早、須坂フォーラム=時期尚早
  新風会=時期尚早、高志会=時期尚早と異口同音に唱える。
  市民21、自由クラブ、共産党=賛成

   ○自由クラブ佐藤代表と、共産党永井代表は、「時期尚早」を異口同音に
    主張する4会派に「なぜ時期尚早なのか?なぜ拒むのか?」を、具体的な
    説明を質すと・・・

政和会=理由付けにならない理由で弁明した。
須坂フォーラム=住民参加と議会制民主主義の違いを理解し得ず、矛盾する理由を平然と抱き合わせして述べる。
新風会(代理)=言語不可解、提出条例の目的性についての誤認の欠如。質問の本質を解せず。
高志会=全員協議会を未だに議決機関と勘違いしている。


  上記の経緯で、今議会の議決案として上程する計画は先送りされることとなりました。

【論評】平成12年の地方自治法改正により、地方議会の権能として機関事務廃止後の事務区分として自治事務と法定受託事務の2種が示されました。自治事務の増加は条例制定権の拡大を意味します。即ち首長の権限の拡大が図られたのであります。これに呼応して議会の検閲検査権(自治法98条)や調査権(自治法100条)などの執行機関に対する監視的権能は、自治事務の場合にはすべてに及ぶとされており、機関委任事務には及ばなかった議会の調査権が法定受託事務に及ぶこととなりましたが、今回の「議決事件に関する条例案」は首長が公表する事業計画に拘束性を持たせる狙いがあった。


4). 総務文教委員会関係(委員長)

@ 現地視察:9月5日午前9時〜
  墨坂中学校体育館建設工事、プール。観音像(青木宅)。寿泉院・北向観音堂、
  豊丘小学校プールの修繕箇所、農業小学校の畑を検分。


A 委員会開催。9月5日午前11時25分〜
  委員会審査次第の確認。請願・陳情の審査について・行政視察報告現行の最終案
  について。教育委員会よりアスベスト対策について。小中学校の体育器具管理保
  全体制のあり方について。


B 9月14日 消防署関係、総務部関係を審査
    15日 教育委員会関係、選挙管理委員会、監査委員会、会計課、議会事務局を
   審査し、何れも原案とおり決しました。

  ○調査研究で、版画美術館等への「老人無料制度廃止案」の浮上に対し、行政施策の
  転換の是非を論議すべきと議員から提唱された。養老精神が希薄になりつつある
  昨今において、慎重に討議されるべきものである。


C 9月26日午後2時半〜 第4委員会室
  議案第96号 平成17年度須坂市一般会計補正予算第4号のうち所管事項(小山
  小学校放送室天井のアスベスト除去工事費用として)。「老人無料制度廃止案」
  の再説明を求めた。


4)−2.経済建設委員会審査に委員外議員として出席。
 湯っ蔵んどの施設整備事業5700万円について、叶{坂健康福祉ランドの新井社長を参考人に呼んでの質疑であったが、1人の委員が3時間もの独演的質疑には些か親派の議員たちもシラケ気味となった。『過ぎたるは猶及ばざるが如し』の譬もある。『中庸』の徳を見失ってはなるまい。


5). 須坂市議会定数等改革検討委員会

9月22日 第7回会合を開催。
 各会派の議員定数並びに報酬についての意見発表。
 定数と報酬をセットで協議をするか、個別で可能かの協議をする。
  @議員報酬を生活費保障と捉えるべき。
  A若い世代から市議に進出できる諸々の環境整備。
  B片手間議員の排除が大切と叫ばれている。


7). −1.市民自治をすすめる議員有志の会

@ 第1回準備会 8月26日田中知事の須坂市での講演を実現させるために「市民自治をすすめる議員有志の会を設立」。参集した有志議員は、 古谷秀夫、北沢正啓、宮澤源司、佐藤庄司、関野芳秀(政和会)。善財文夫、島田和子、岩田修二、渡辺智(市民21)。永井光明、土谷フミエ(共産党)。佐藤壽三郎、植木新一、丸山久雄(自由クラブ)。四会派に属する14名の市議会議員です。


A 第2回準備会 9月17日午前11時〜 第3委員会室
    11月1日に向けてのスケジュールの確認。ビラの配布先と訪問者、挨拶状の作成、新聞広告の掲載、概括予算案の承認をし即座に実施。



2.

【私の議会外議員活動】


@ 8月29日 境沢町内の農業用水出水に備えての土嚢積みの実施状況を検分。

A 9月07日 泉小路活性化の会の代表者と、9日に行った一般質問の市側答弁内容の
  検討を行いました。

B 9月10日 境沢町顕彰委員会に出席。町内会が町内住民を顕彰する規定の存在自体
  の疑義を感じました。自治体を模倣することの功罪を十分に検討せねば、権威主義
  に陥り、弊害が住民に渦巻くことを畏れます。町内会はあくまでも住民の自主行為
  (任意)によってなされるものであり、決して権威や強制とは無縁のものでなけれ
  ばならないことを周知しておくことが大切と感じました。

C 9月12日 市民から市財政に対する苦情陳情を受けて市担当者と話合。

D 9月14日 建設課へ 上町の住民宅に7月の豪雨で住宅の脇を流れる小川から溢水し
  床下に流入したこと事案で、台風シーズンに向けての緊急対応策を要請

E 9月16日 建設課 境沢町地籍市道内の歩道未整備部分の解消を図るべく代替案を
  提示し、関係者の了解を取り付けました。

F 9月18日 泉小路活性化の会と打合せ。

G 9月20日 市と泉小路活性化の会と打合せ会に立ち会う。

H 9月20日 JA須高・藤沢専務理事を訪問し、知事講演参加の要請をした。

I 9月21日 須坂商工会議所会頭と面談。民営化推進について意見調整。

J 9月23日 境沢町老人会 米寿の祝い会に出席。




3.

【自主研究:地方議会と市議会議員】


今9月議会で、私は下記の課題を一般質問として取上げました。


 
1.アスベスト問題について
 (1)アスベストに対する市の対応について
   @公共建物や施設の実態把握と飛散防止対策或は除去について。
   Aアスベスト回収による無害化の手立てがあるのか。
   B民間建物等のアスベスト飛散防止策或は除去についての
    行政機関としての介入について。


2.ニート問題について
 (1)ニートは社会的責任として捉えるべきだ!
   @市長はニート問題をどのように認識しているのか。
   A市はニートに、積極的にどのような手を差しのべることが可能か。


3.都市計画道路八町線のうち、通称「泉小路」の拡幅整備について
 (1)旧市街地に定住者を呼び戻す政策として。
   @市長は「泉小路」に対しての都市計画をどのように描いているのか?
   A泉小路地域の測量を実施するにあたっての課題。


4.旧市街地の水路に流水復活をすることについて
 (1)水辺のある生活環境の復活に向けて。
   @既設の水路に水を流すことの市民要望と課題について
   A側溝への日常的通水こそが、降雨時の溢水を防止できるのではないか?
   B旧市街地の水路を境沢の古川に流す構想の再提唱。


5.防災行政無線のあり方について
 (1)行政無線と市民との関わりについて。
   @繰り返しのアナウンスの効果は?
   A行方不明者の捜索に関わる行政機関たる須坂市の
    あり方の限界について。


6.県立高校統廃合について
 (1)この契機を生かすために。
   @市内4高校を総合高校として統合することへの提言。


7.旧上高井地方事務所庁舎について
 (1)歴史的遺産としてでなく現代に生かす手立て。
   @旧上高井地方事務所庁舎を、須坂市が譲り受け活用するとについての提言。


8.湯っ蔵んどの改修費について
 (1)第三セクター湯っ蔵んどの実情とあり方について。
   @「湯っ蔵んどのあり方についての提言」と「三顧の礼」について。
   A市長が抱く、「株式会社須坂健康福祉ランド」が持つ社会的使命や
    目的性について。
   B市長が描く「株式会社須坂健康福祉ランド」を介在させての福祉施策について。
   C株式会社須坂健康福祉ランドを「指定管理者」にすることの疑義について。



4.

【自主研究:須坂の防災と治安】

   機場を経ないで千曲川に水を流し込む手立てが大切!

 坂田から鎌田山縁りを流れた山崎川は、高橋地籍で八木沢川に、南原町で分岐されて本町通りや劇場通り地域を流れた川は、春木町の十三塚地籍で八木沢川に合流するか、或は馬場町から西町を経て、宮川、旧百々川に流れ込んで、結局は八木沢川に流れ込み、大雨の時は「相之島排水機場」を経て千曲川に押し出されます。

 であれば、市街地の川の流れを大雨が予想されるときは、市街地を流れた水を、東横町から八幡町を経由して構築されている『南部都市下水道』の排水路に流し、境沢町の古川用水を経て百々川に流し、千曲川に流せば、八木沢川に流れ込む総水量が減ることとなり、「相之島排水機場」の負荷を軽減することとなります。市街地内での水路改修構想を後世のために打ち立てるべきと考えます。

 市街地の水路を南部都市下水道経由、境沢町の古川経由、百々川から千曲川に流し込む。八木沢川は堀の内地籍で松川に向けてバイパス(運河)を構築して、運河のオバーフロー分だけ松川に流し込み、貯水された水は、日滝原並びに下流地域の潅漑に使う構想を再提唱しました。排水ポンプも不要、電力も不要、自然の地形の勾配を利用しての排水構造こそが、洪水から市民を護れると心得られたい。



6.

【小・中学校・教育委員会関係】


1).8月26日 宮本教育長と宮崎元墨坂中学校長と三者で、「遠望する須坂の教育」に対しての私見を陳べて、更に意見交換を行いました。

2).9月17日 第64回森上小学校大運動会を観戦。
 参加するたびに、感動を与えられます。議員として数ある招待の中で一番心和むお招きであります。時間に余裕がある限り参加することにしております。



12.

【お寄せ頂いた市民の声】

@ 水路の出水に対する市との迅速な対応ありがとうございました。(永田さん・境沢)
A 頑張っているね! 幼馴染
B 10月1日はメセナには行くからね!  幼馴染
C 何とかしてメセナに行きたい! 太子町 Kさん


 


【青春の記憶】


白山台の思い出

 白山台は商店街と住宅が渾然とした街であった。のほほん型の東洋大学学生気質は、明治の中期に哲学館大学として誕生した校風に源泉があるのではないか!山手線の中にあって比較的交通便が不便であったことが逆に、学舎を取り囲む白山の街と融和して、独特の「東洋学生気質」を育て上げたものといえる。
図書館はシ〜〜ィ〜〜ンとしていて、都会の喧騒と隔絶された空間があった。寧ろ静か過ぎて時には安眠の場でもあった。


奨学金が飢えを救った!

 日本育英会の奨学金はありがたかったと歳を重ねる毎に感じます。奨学金で本も買いましたが、殆んどは腹に入ってしまいました。
須坂市には独自の奨学金制度があって、昨年度は高校生1人、大学生56人に貸与されています。


16. 【北信鏡】9/1 全員協議会、9月議会開会 /2 決算説明会、小坂選対、メルマガVol.121 配信 /3豊田紅葉荘 /5総務文教委員会現地調査、総務文教委員会開催、/6〜9 一般質問・市民相談 /10 境沢町、メルマガVol.122 配信 /12 経済建設委員会・市政相談、メルマガVol.123 配信 /14・15 総務文教委員会審査、理事者との懇談会・市政相談 /16 メルマガVol.124 配信/17 森上小学校運動会、準備委員会、全員協議会、会派代表会議、/18 市民相談 /20市政相談、JA須高 /21 須坂商工会議所、メルマガVol.125 配信 /22 定数特別員会 /23 境沢老人会、中野市豊田 /24 長野青木島 /25 長野市豊野 /26 議会閉会、月報発行、メルマガVol.126 配信


発行日 平成17年9月27日   編集:発行人 須坂市議会議員 佐 藤 壽三郎