かざそうか 桜を髪に 乙女なる 
 壽茶  

會報ことぶき 月報(No.54) 2003年4月号
(須坂市議会議員佐藤壽三郎活動詳報)

                     

【コラム・千曲のかなた】人は宇宙に行ける世になっても 叶わないないものがある。

 古人が書き記している如く「人の禍(わざわい)と福は糾(あざな)える縄と同じことで、常に隣あわせにあるものであり、運命を語ることは不可能である」と齢とともに感じる。

 幼くしての父との死別は明らかに不幸であった。しかし父がいない分私は、肉親はもちろんのこと多くの人たちから温かく目をかけて頂いた。この恩情によって育てられ今日がある。これは私にとって幸運のなにものでもなく、謙虚に神に感謝をしている。

 穀町の田中紀美さんも、私がご恩を賜った御仁の一人である。私は東京から帰郷した30歳前後、将に我が人生が蚕から繭になる時期にあったと感じている。田中家の一室を拝借して「最後の受験勉強」をした。

 紀美さんは、折りある毎に受験浪人中の私に「一生懸命学問を修めて、必ず一角の人におなりなさいな」と励ましてくださった。紀美さんのご兄弟が、夫々学問で身を立てられていることもあって、言葉には説得力があり厭味はなく私を奮い起たせてくれた。

 凡庸な私は、漸く51歳の折に市議会議員になれた。我がことのように喜んでくださった。今回の再選を果したときも同様であった。私が所帯を持つために田中家より居を境沢に替えた後も、紀美さんを訪ねては、お茶を所望するのが私の楽しみでもあった。

 紀美さんが4月4日ご逝去された。享年83歳であられた。会うが別れの宿命とは申せ、私は亦一人大切な恩人を喪ってしまった。こころにぽっかり穴が空いてしまった。                                     
      

田中紀美様のご冥福を祈って捧げる一句 



小梅さき 桜咲くるに 逝きしひと  壽茶


1.【 議会のあらまし 】

4).総務・文教委員会関係 

3月28日 行政視察の日程、課題と訪問地の選定を正副委員長に一任。

4月15日 視察課題の具体的特定を行なった。
       旭ケ丘小学校改修工事の現地視察の時機を協議。

2.【私の議会外議員活動】
@3月26日 市立須坂保育園卒園に臨席。卒園生28名の門出を祝う。
      うるうると 涙涙の 卒園かな 壽茶

A4月 4日 県議選告示、村石正郎候補者(自民党)の出陣式。
     和田英幸候補者(更埴市)の陣中見舞い。

B4月 4日 市立小・中学校の一斉入学式。住所地の所管森上小学校入学式に臨席。

C4月 6日 第11回菊城流春の舞に出席。観客者凡そ800名。 
      扇舞う 百花繚乱 艶やかさ 壽茶

D4月11日 中村平県議会議員候補(塩尻市)陣中見舞い。

E4月18日 市委託清掃組合総会に出席。市長、福祉環境委員長も同席

F4月19日 森上小学校職員歓迎会に出席。

G4月20日 小坂代議士、若林参議院議員、村石県会議員・永井市長合同花見に出席。


3.【論説・地方分権時代のもたらすもの】 調査研究中

4.【論説・合併論】 
 政府はなぜ合併を強いるのか? 目を開けて真意を見よう!!

合併特例法の期限が2005年3月へと迫るなかで、須坂市も一つの結論を出さなくてはならない。国、県、市作成の「市町村合併」の資料綴を、いま時を置いて再読するも須坂5万4千市民の血税で禄を食む、市長、議員そして職員は、須坂市の百年後を慮り市民の評価に耐えうる須坂市の道筋を描いておかねば子々孫々に申し訳が立たない。

 我々は冷静に今回の政府が強いる合併の真意は何処にあるのか見極める必要があります。そこで、辻山幸宜元中央大学法学部教授が某市で講演した「合併是非論」の講義録を主軸にして、須高合併論を考えてみたいと思います。


1.現下の、政府の財政状況について
 辻山教授が指摘するとおり、政府は景気対策として永年公共事業を、市町村を通してやってきました。しかし最近この手法での景気対策は通用しなくなってきています。

 これは自治体自身が公共事業漬けになって財政力をなくしてしまっているからです。公共事業が決して「打出の小槌」ではないことを知った市町村は敬遠するようになったのです(この点、須坂の総合体育館建設の凍結は、市長の賢い選択であったと評価されます)。

 そこで政府は、幾つかの市町村を寄せ集め(合併)さえすれば、財政力が再起し公共事業も盛に行なわれ景気対策も叶うと目論みました。ところが最近大都市の住民は、地方交付税の平準化制度に異議を唱え、「もっと税金は、大勢が住んで納税している大都市の住民のために使うべきだ」という声が強くなり、地方に税金を運んでいた自民党は割を食い、先回の総選挙は都市部で惨敗をしてしまいました。
 窮地に立たされた自民党は、急遽全国の公共事業それも過疎地での事業の凍結を下し、浮いたお金を都市部に移すこととしました。


 地方に住む我々にとっては自民党様様であるはずでが、実は政府が握る地方交付税の特別会計が成り立たなくなってしまっているのです。小泉内閣は地方交付税の財源を凡そ1兆円を減らしたい意向。換言すれば、財政危機に陥り税金の配分方法を変えなければ、政府・自民党は動きが取れないということです。そこで政府は、全国の市町村を3千から1千市町村に減らして交付税の総額を減額しようとしているのです。


 即ち、市町村の合併劇です。人生の蹉跌を知らず、陶淵明の『帰去来辞』など読んだことのない霞ヶ関の官僚は、自分を育ててくれた故郷を捨て、お袋が作ってくれた味噌汁の味も忘れて、ひたすら「国家の護持」を考えているのであります。



2.住民が抱く将来の不安について
 
少子高齢化が進み、富士通リストラ等で示す経済の不況がこのまま推移したら、10年、20年後果して暮らしていけるのだろうかという誰しもが持つ先行き不安に対して、須坂市を含め全国のどの市町村も明確な回答を出せないでいます。個々の公務員に赤字財政を賠償する責めがないからです。


 そこで政府は15年間も舐めでのある甘いアメを用意したのです。1つは「交付税の算定換えの延長」です。これは市町村が合併すると、現在の交付税計算の仕方では必ず減ることとなる。
 合併をした後の人口計算をし直すと、大体全国平均3割位は減ることとなるそうです。政府の勧めで合併はしたが、急に財政が減っては支障があるので、「算定換えは10年間延長します」と政府は合併をした市町村にはアメをくれることとしたのです。
 しかし永久ではありません。合併10年後から段階的に5年をかけてこのアメは解消し、その後は、未来永劫に国からアメの配給はありえないことを知るべしです。

2つに、必死な政府は誘惑の手として、「合併特例債(財政支援)」というぼた餅を用意しました。
 須坂市が仮に小布施町と合併する際には約154億円(実質120.3億円)。仮に高山村と合併する際には、約136億円(実質107億円)。仮に須高3市町村が合併するとなると246億円(実質186.1億円)の財政支援という名目のぼた餅です。

 しかしこのお金を当て込んで事業をしたならば、事業が終わったあとの維持管理費等で、合併後の新須坂市は悲鳴をあげなければならないことを忘れてはいけません。
 我々が見定めを誤ったならば、そのつけは重く長期に亘って市民を苛(さいな)ますのです。【以下は次号に】



5.【国県市町村の選挙報告と分析
 須高地区の県議選は 村石正郎氏と永井一雄氏が当選!!

 出馬にあたって田中知事に対して、村石候補は対話を、永井候補は支持を、伊藤候補は是々非々を夫々唱えた。須高地区は三つ巴の組織選挙を展開したが、村石氏、永井氏が当選した。
 
 今回の選挙の大きな特色

@全国的にも「即戦力」が求められていたことである。当選した両氏は、市議として十分な議員経験と実績を備えていて、当選後も即戦力になれると有権者は判断した。

A今回引退した中島輝夫県議の組織力が伊藤氏を支えたが、小坂代議士と接触のない期の若い市議が采配を振るっても、代議士後援会内にばらつきが生じた節がある。

B田中康夫旋風が未だ健在。追い風として永井候補に見方した。

C村石候補は、前回得票を万遍なく市町村でキープできたが、伊藤候補は中島前県議の牙城を守れなかった。


6.【小・中学校関係
 すざかみんなの宝を厳しく鍛えよう。彼らがこの自由闊達なまち須坂を護る。
4/3 森上小学校65名の入学式に臨席。
   綿内新校長の期待のことば 

         
 「自発性、挨拶と返事、交通安全の願」


7.【地元選出の国会議員の動き】
  当事務所宛に届いた国政報告書の転記です。
 
@   小坂憲次衆議院議員事務所より、平成15年度国の予算個所別事業費について。一般会計総額81兆7891億円余。前年度比0.7%増。公債依存度44.6%外。活力ある経済社会を構築するために税制改正を行なう等。


須坂市関係の公共事業について。国土交通省関係は総額9,933,820千円。主なるもの ○千曲川河川改修費2.180,000千円。道路改修村山橋2,360,000千円。樽の沢バイパス280,000千円。公共下水道(千曲川流域)1,880,000千円。農林水産省関係は総額589,532千円。主なるもの、広域農道358,000千円、山の神復旧治山54,000千円。善光寺平森林居住環境整備97,000千円。環境省関係は総額519千円


.【庁内トピックス】
 須坂市職員の人事異動がなされました。主なるものを掲げます。

@ 中沢誠一水道局長、島田勝太市民生活部長 樋口昭男監査委員事務局長ら18名が退職をされた。後任の市民生活部長に藤田国良氏(前体育課長)、水道局長に青木敬氏(前商工観光課長)が、監査委員事務局長兼任選挙管理員会書記長には藤澤亨氏(前まちづくり課長)が昇任した。

A 議会事務局関係では、豊田守課長補佐が農林課へ転任。一色照子係長は退職。


.【会派・自由クラブの動き】
@会派自由クラブとして、県議会議員候補者の村石正郎現県議会議員を支援することを確認。

10.【古今東西の名言集から】

吉田松陰が高杉晋作へ為した死についての垂訓

男子の死ぬべき所は。「僕は昨年の冬(投獄されて)以来、死というものが大いにわかった。死は好むべきものにあらず、同時に悪(にく)むべきものでもない。やるだけのことをやったあと心が安んずるものだが、そこがすなわち死所だ、とういうことである。さらにいまの私の心境は死して不朽の見込みあらばいつでも死んでいい。生きて大業の見込みあらば、いつでも生くべし」【司馬遼太郎著『 世に棲む日々』2巻p149文春文庫より】


11.【史記から知る人生の機微】
○ 政治は徳であり、決して険阻(地の利)ではない。孫子列伝より

12.【お寄せ頂いた会員の声】
○寿三郎さん当選おめでとうございました。また町場復興の話をお聞かせください。 Nさん 

○議員は最多得票数ではなく、重要なことは投票された方々の質が大切だと思います。これと言った組織を持たない寿三さんの801票の重みは、ここにあると思います。あなたに投じてくださった皆さんは、佐藤さんの言動や会報を熟読されている方々であることは間違いありません。   Sさん

○あなたが壽三郎さんでしたか。長野までお名前は届いております。いつかはこの人に会ってみたいと思っておりましたが、叶えられて光栄です。      ある席で田中様(長野市)


13.注目のインターネット記事から

○2月の貿易黒字、前年同月比20.4%増の9362億円 3/24/日

○ バグダット首都南方で大規模交戦、イラク兵数百人死亡か 3/26/日経

○内閣府は29日、「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」の結果を発表した。戦争で日本の平和と安全が脅かされる危険性について「危険がある」と答えた人は43.2%で、2000年の前回調査より12.7ポイント増えた。(3/29読売)

○任期切れ目前に公費旅行。三重県久居市議2人(3/29中日)

○ 大島農相が辞意、元秘書の口利き疑惑などで引責3/31/03 日経

○厚年基金の解散、2002年度は過去最多の73に3/31/03 日経

○北朝鮮からミサイルが飛来したらどうするか。「1本」までなら、少なくとも軍事的には我慢するしかない。4/2日経ビジネス

○新型肺炎SARS、香港・広東渡航自粛を促す。4/3日経

○米英軍、イラク大統領宮殿を制圧 4/7日経

○携帯・PHSが8000万台突破、10人に6人利用4/8

○フセイン政権が崩壊、バグダッド陥落 4/10

○対知事「是々非々」38人 県議選、31現職25新人当選 4/14/03信濃毎日新聞


14.【時事用語】産業再生機構

 不良債権処理を加速し、産業と金融の一体的な再生を図るため、政府が今春設立する株式会社。返済が遅れて、「要管理」先などに分類される経営不振企業向け債権を、主に主力取引銀行(メインバンク)以外から買取、メインバンクと共同で債権者である企業の経営再建を目指す。(読売3/1



【北信濃鏡】
 3/24会報配信、登庁・委員会報告推敲 /26須坂保育園、蛍雪会 /28登庁、市民相談、舫会 /29〜31調査研究、市民相談 4/1慰労会 /4県議選出陣式、入学式、更埴市出向 /5議員団会議 /6菊城流社、三峯春祭 /7市民相談/8市民相談 /9市民相談 /10市民相談/11塩尻出向/13県議選投票日/15登庁、政務調査、/16市民相談/17市民相談/18市委託清掃組合/19森上小/20合同花見




発行日・配信日 平成
15年(2003年)4月20

                 発 行 人  須坂市議会議員佐藤壽三郎 
                発行責任者 
壽會佐藤壽三郎後援会竹村徹志

須坂市墨坂南一丁目6番23号(境沢町)