初鰹 背中丸めの 寒さかな  壽茶(じゅっちゃ)

會報ことぶき 月報(No.40) 2002年5月号
(佐藤壽三郎市議会議員活動報告・FAXマガジン)


コラム・千曲のかなた
【日本の在外領事館には、
             国の誇りはないのか?】


 国辱とも言うべき事件が5月8日中国は瀋陽の日本領事館で発生した。ことの事案は、北朝鮮家族5人の亡命に関わる中国警察官の領事館不法侵入と北朝鮮家族5人の拉致である。このことについて、問題を整理するとA).領事館内への立入り問題とB).北朝鮮家族の第三国への出国問題である。A)について、日本は、同意なし。ウィーン条約違反。中国は、同意を得た。ウィーン条約違反なし。B)について、日本は事情聴取を要求・速やかな出国手続。中国は、中国主導で事情聴取。その後出国手続とする。日本側の立入り問題と出国問題を峻別する考え方に、中国は出国で全面解決を謀ろうとしているに見える。

思うに、瀋陽の大使館員が傍観をしていた所業は、一国を代表して外国において日本国の代表機関をなす職員としてあるまじき行為である。緊急時の大使館員としての自覚と心得がなっていない。即刻、大使や関係者の処分をなすべし。中国も法治国家として世界の仲間入りをしている以上、国際ルールを守るべきである。我が政府も先ず北朝鮮家族5人の生命・人権を先ず慮る配慮から、身柄の引渡しの強要が必要だが、同時に日本領事館内に不法侵入した全ての中国警官の身柄の引渡しをも求めるべきである。独立国としての法的地位の確立を内外に毅然と示さなくてならない。中国政府の弁明よりも、日本国政府の明確な調査と毅然とした処置が期待される。不透明で理不尽な対応は、国際的にも日本の信用を失う。小職も中国に友人が多数いるが、是は是、非は非として論じたい。



〔社会委員会報告〕平成14年度行政視察。5月8日〜10日

1.新居浜市 総合福祉センター「ふれあいプラザ」を視察。須坂に応用できるか否かを検討。

2.三野町(みのちょう・香川県)情報バリアフリ・テレワークセンターを訪ねる。須坂との比較検討・摸索

3.池田市 NPOについて、条例の解説。いけだNPOの活動状況についての研修。須坂に生かせるか?

☆ 何れの市町も視察に値する情報と実績をもっておられた。これを直ぐに須坂に応用・実践することは難しいが、先進地の視察は、一見の価値がある。予算の関係で一日短縮の日程になったが、その分強行軍となり疲れる。


第1【地方分権時代のもたらすもの】

【小泉首相、道州制の可能性についての指示】いよいよ国が動く!須坂が動く!

このことについては、小職が会報5号・29(H13年7月号)【市町村合併問題について・なにかがおかしい】で県と道州制問題を指摘してあります。是非、お手元にある会報5号の再読と再考察をお願いします。

『地方政治が危ない!』 と言われる問題点と私見

市議会議員となって4年目を迎えます。いま「地方政治が危ない」と言われています。そこで挙げられている問題点等を取り上げ、現場にいる地方議員として論評を加えたいと思います。

今月号で取り上げる問題点は「機能しない議会」についてです。

1.    機能しない議会

1).3月議会で、総合体育館建設に関して、総合体育館用地買収の賛否は、賛成12・反対12。議長裁決となり議長は建設を可とした。このことは議長権限であるから一向に苦にならないが、その後、日が経るに従い、正・副議長は恰も「3月議会の決定を反故にする。」かの如き、「場所・規模・予算を見直す」ことが可能なような言動をしているとの話がもたらされ、議長招集の特別委員会設置が4月30日会派代表者会議にかけられた。

 議長は、「特別委員会」を設立して、総合体育館の予算・規模・場所を決め直そうとするが、この点に問題がないか。そもそも議案は市長より議会に上程される。議案を議会が否決した場合は何を意味するか?ということである。3月議会は議長の裁量により、結果的に市長の不信任案を救った行為であったと言える。これを決め直そうとすれば、連鎖して議長は市長の不信任案を可決したこととなる。この連動効果を正・副議長は全く理解をしていない。

 もはや混沌とした議会内部の事情を正副議長の力では解決できない。須坂市議会の誇りと信頼を失墜させた責めは大きい。
もし、膠着状態を打破して、市民の総意の総合体育館建設を進めるならば、

第1案として、1.正・副議長は、事態の収拾のために自ら辞表を提出する。2.市長は正・副議長の辞表を真摯に受け止めて総合体育館問題を来年行われる市議会選挙の結果が出るまで凍結にすると市長声明を発す。3.選挙では、候補者は賛成か反対かを明確に立候補し、市民の審判を受ける。4.来年3月議会で再議する方法。

第2案は、1.正副議長は自ら辞表を提出する。2.市長は凍結を拒否。3.議会は市長を不信任案提出(3分の2以上の出席で、4分の3以上の同意)。4.市長は議会を解散。5.議員選挙(選挙では、候補者は賛成か反対かを明確に立候補し、市民の審判を受ける。) 6.新しい議会が再び市長を不信任決議(同意は過半数でよい)をすれば、市長は辞職をせざるをえなくなり、結果的に総合体育館建設は中止される。一方、体育館支持議員が多い場合は建設される。


第3案は、司法への訴えである。予算執行費の差止め請求か、3月議会議長裁決無効確認の訴等が考えられる。


第4案は、住民投票。市民の発議による条例制定等の手続が進められる。

の4方策が考えられる。第3案は議会が収拾使いない場合の究極の救済処置だが、それ以外は何れも議会が関係する。換言すれば、議会は何れも逃げられないのである。

☆4月30日午前10時から、議長招集の会派首長会議が開催されましたが、議長の思惑の「総合体育館特別委員会の設置」は、大多数の会派の反対により否決された。併せて、政和会案も必要なしとされた。



  いまこそ、須坂市議会の誇りと信頼の回復をはからねば・・・

2).市議会本会議で、可否同数になった場合は、議長の裁決により決議されることは地方自治法によって定められています。形がどうあれ、この裁決を議長が下しておきながらにして、もし後日この決議を議長が自ら議決取消を示唆するような発言をしたならば、これは大問題であり即、議会の信用の失墜につながり、須坂市議会は天下の笑われ者になってしまします。議会(立法)は司法と違いあいまいさが多分にありますが、それは政治が生き物であり、市民の幸福追求に沿うものでなければならないこと。時には緊急性を要する施策を強制的になさねば市民の生命や財産が失われることも有るからだと思います。この部分は高度の政治性と表現されるものです。低次元の話でそれも恣意的に議会の決定を取消すことなど許される行為ではありません。それとも、3月議会で議長は裁決するときに外圧がかけられていて、自由な議長職務ができなかったとでも言う心算なのでしょうか。田舎芝居で観れるのは、下伊那郡大鹿村の「大鹿歌舞伎」だけであります。




某議員が体育館建設反対派議員から非難される理由

3).某議員が我々反対派に示した「反対派に同調するプロローグ」とは、@設計は日建と地元の協力で行なう。A20億円以下の予算。B建設場所は北部グラウンドとする。この条件に一つでも市長が同意をしない場合は予算案原案に反対する(反対派に同調する)としていました。しかし、いずれの申し入れも市長からケッチンを食らいながら、明確な反対意志を出せず、3月19日夜半に賛成の意を決したことにあります。反対側からすれば整合性の無い賛成表明であり、これは翻意でしかない。賛成側からしても調子のいい信用の置けないものに映り、結果的に賛成・反対の両派より信用を失う形となりました。しかし、賛成派も議会は数なので除名はしない。




自由クラブは、議会の膠着状態を打破するために、会派幹事長会議開催を呼びかけた。

4).自由クラブは、前述の縷縷示した現状の議会の膠着状態では、今後の議会審議も慮れることを憂慮し、会派幹事長の設立を提唱した。設立趣旨は「幹事長は会派代表者を補佐する役割を備えていることもあり、直面する市政の課題や政策を会派副団長、幹事長会議で討議をし、的確な世論の動向を認識し、会派間の硬直や独善性を和らげ、以って議会運営の円滑を図ることにより、市議会の誇りと信用を市民から得ることを目的とする。」ものであるが、新政会と共産党が消極的姿勢を示している。6月議会までに数回の開催をし、横穴をあけ風を送らねば、須坂市議会は、膠着状態を打開できないであろう。

何れにしても、安直に正・副議長が3月議会決議を取消すとすれば、先ず己の身を捨てることがなければ打開策は無い。市長が議会に対して法を侵していない以上、議会も適正なる法手続を踏まない限り、良識ある市民の理解は得られません。議会の誇りと議会の信頼の回復に向けての具体的な対応策が求められていると感じます




2.【合併論】

毎日新聞が、市町村合併について全国調査を実施した。その結果、全国3218市町村の66%にあたる2120自治体が合併に向けた検討組織に参加し、合併促進の優遇措置が切れる05年3月までに、約540の自治体の減少が見込まれるとする。政府が目標とする「合併後の自治体数1000」には及ばないが、今後1年の動向で減少自治体数はさらに増える可能性があるとし、全体の約7割という多数の市町村が検討組織に参加する「列島再編」の様相を浮き彫りにした。一方で踊り場に立つ地方自治が決断に揺れる実情もくみ取れた。合併問題には、国、都道府県、市町村の各レベルでさまざまな利害や思惑がぶつかり合う。総務省は合併促進の優遇措置が05年3月に切れるのをにらみ、早くも「次の手」を探っていると報道(毎日5/2付)。

 「3,218団体」とは、平成14年4月1日現在の我が国の市町村数です。このうち「市」は675、「町」は1,981、「村」は562で、「町」が一番多くなっています。


 市町村の数は、明治21年まで7万を超えていましたが、「明治の大合併」により明治22年には約5分の1の15,859団体に、さらに昭和28年からの「昭和の大合併」を経て、昭和36年6月には3,472団体と、現在とほぼ同じ数に落ち着きました。【小泉メールマガジンより取材】



第2.【会派・自由クラブと各派の動向】

4月28日午後6時、第三回会派会議、特別委員会設置のあり方、本年度の事業計画、6月議会に向けての協議。

4月29日午後8時 自由クラブと社民、共産との「特別委員会設置に関わる意見調整会議」。

5月11日午前8時 会長と幹事長の「議会正常化に向けての」意見調整。


5月13日 須坂市議会各派の幹事長会議の設立を提唱。各派会長宛書面で設立趣旨を提示する。政和会、新政会は会派会合を開いて結論を出す予定。社民クラブ21の会は賛成。共産は消極的。



第3.【何遍読んでも、涙がでてしまう。心に残る名場面 】今回は、山椒大夫

 正道はなぜか知らず、この女に心が牽かれて、立ち止まってのぞいた。女の乱れた髪は塵に塗れている。顔を見れば盲である。正道はひどく哀れに思った。そのうち女のつぶやいている詞が、次第に耳に慣れて聞き分けられて来た。それと同時に正道は瘧病のように身うちが震って、目には涙が湧いて来た。女はこういう詞を繰り返してつぶやいていたのである。


       安寿恋しや、ほうやれほ。
       厨子王恋しや、ほうやれほ。

       鳥も生あるものなれば、
       疾う疾う逃げよ、逐わずとも。


 正道はうっとりとなって、この詞に聞き惚れた。そのうち臓腑が煮え返るようになって、獣めいた叫びが口から出ようとするのを、歯を食いしばってこらえた。たちまち正道は縛られた縄が解けたように垣のうちへ駆け込んだ。そして足には粟の穂を踏み散らしつつ、女の前に俯伏した。右の手には守本尊を捧げ持って、俯伏したときに、それを額に押し当てていた。
 女は雀でない、大きいものが粟をあらしに来たのを知った。そしていつもの詞を唱えやめて、見えぬ目でじっと前を見た。そのとき干した貝が水にほとびるように、両方の目に潤いが出た。女は目があいた。

「厨子王」という叫びが女の口から出た。二人はぴったり抱き合った。

「日本の文学3 森鴎外(二)」中央公論社刊より抜粋、以下は原書で堪能ください。


【最近の主要新聞記事から4月22日以降】 
                        ○注目  
 △朗報・期待  ▽怒り・失望


  △県立須坂病院の新棟が完成し、21日記念式典が開かれた。5月7日から診療を始める。

小泉首相は21日午前、九段の靖国神社に参拝した。

大阪高検公安部長が競売マンションの売買に絡み、暴力団関係者と共謀し、区役所にうその書類を提出していた疑い。

大阪高検公安部長は、「調査活動費」を使った法務・検察の裏金づくりがあったと主張して、近く公表する準備を進めていた。

NY外為:127円台後半まで続伸、米景気の回復期待薄から(4/27)

石原知事が新党構想?(4/21)

自民党は和歌山で勝利したものの新潟、徳島では公認、支援候補が敗れ1勝2敗に終わった。

国連調査団の受け入れ拒否 虐殺疑惑でイスラエル(/29) 

朝日新聞阪神支局で87年5月、小尻知博記者(当時29歳)ら2人の記者が散弾銃で殺傷された事件は、3日午前0時に公訴時効(15年)が成立。

井上前参院議長、秘書逮捕で議員辞職(5/2)

8日午後2時(日本時間同3時)ごろ、中国の武装警察官が瀋陽日本総領事館に侵入し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を脱出した住民5人を拉致した(5/8)。

北海道岩見沢市の市立図書館で、岩波書店の岩波文庫をパソコン上で読めるサービスが6月上旬から始まる平凡社の東洋文庫も、著作権者の許諾が得られ次第とか( (5/16)。

国税庁は16日、01年分の確定申告で、所得税額が1000万円を超える高額納税者を発表した。本年どの特徴は消費者金融やパチンコ店経営など不況に強いといわれる業種の経営者や、税や借金の支払いのため土地を売却した地主などとする。

青森県警は、同県六ケ所村発注の工事を巡る収賄容疑で橋本寿村長を16日にも逮捕する。

六ケ所村内の林で、橋本寿村長が首をつって死んでいるのを発見した(5/18) ※自殺を防止できなかったか! 

沖縄復帰30周年記念式典が19日、沖縄県宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで、小泉純一郎首相ら三権の長をはじめ約1200人の関係者が出席して開かれた。(朝日5/19)


【会員の広場】

  壽三郎さんが、一般質問をなさる日は、テレビの前ではらはらするので、とてもくたびれます。(Hさん)

「『知事が日本を変える』(文春新書刊)を是非読んでください。」と、K氏より寄贈を受ける。

原稿を市職に書かせている議員の名前は公表すべきです!  体育館より保育料金値下げでしょう(I氏)

「『30年目の卒業文集』が角川書店よりこの3月に発行されたので、みんな〜買ってください。」黒岩徹君(常盤中学校の同級生・東大昭和45年度卒業式を30年振りに行なったときの実行委員長を務めた。)より要請あり。



【会報ことぶき6号(総合版)の訂正個所】

1頁22行目、日滝原産業団地流通団地を【日滝原産業団地】に訂正。
3頁下から7行目の、遺族を前列に蓄積を、【前列に着席を】に訂正。
11頁【前期の議員活動】中、4.倫理管理委員会委員を【須坂市議会議員倫理確立特別委員会委員】に訂正。



【北信濃鏡】
 4/22議会改革議連 23〜24、議会報委員会、氷見市、内灘町議会を視察 /25一期議員会 /26須坂病院視察。社会委員会 /28会報配布・自由クラブ定例会 /29会報配布・合同会議 /30清掃作業視察・陳情調査・議会改革学習会 5/1議事録確認 /7議会改革議連 /8〜10社会委員会行政視察 /11行政書士長野支部総会  /12各派会長と協議 /14政和会・新政会正副と協議/17陳情処理 /18太公望会


発行日・配信日 平成14年(2002年)5月20日

発行人 須坂市議会議員佐藤壽三郎
発行責任者 壽會佐藤壽三郎後援会
長野県須坂市墨坂南一丁目6番23号