空耳か 母の声する  新盆ぞ    寿茶 

會報  こ と ぶ き  月報 ( 1 8)2版 2000年8月号
(佐藤壽三郎市議会議員活動報告)

 【地方分権時代のもたらすもの(1)】
 地方分権時代がいよいよ到来した。かって月報で記載したとおり(既配のことぶき総合版3号のうち月報14、15、H12.3月議会一般質問ご参照)、明治新政府は中央集権主義的官治行政であった。この国政は昭和20年8月15日の天皇の終戦詔勅(降伏文書調印は昭和20年9月2日ミズリー艦上で行われた。)まで国民を拘束した。国家機構であったのだから当然と言える。そしてGHQ(連合軍総司令部)の統治下における新憲法発布は、国民主権主義、平和主義、基本的人権の尊重主義と大きく変革し、一気に法整備も大陸法から英米法に変わり、消化不良の民主主義が日本各地に広まった。


 地方自治の保障は明治憲法下にあっては憲法に何らの条文はなく、法律によって団体自治が認められていたこと等を考えると、とても「国家との対等・協調」ではなく、「国家と地方は上下、主従」であったと言える。この4月に地方分権一括法が施行されるに及んで、一気に憲法の存在が身近なものとなった。


  憲法が唱える(保障する)『地方自治』とはなにか。『地方自治における首長と地方議員との関係』、『地方議員の資質と役割』についてあれこれ言える時が来た。言うことは容易いが基礎知識がなければ空論である。そこで、まず憲法で云う「地方自治」とは何かについておさらいをしなければならない。地方自治とは、一定の地域社会における行政を、国から独立した地方公共団体に委ね、地域住民の意思に基づいて行うことをいう。憲法は住民自治=地方の政治・行政が住民の意思に基づき行われることと、団体自治=地方団体が国家から独立した法人格をもち自治権を有することとを合わせた完全な地方自治を立憲民主制を維持するために制度として保障している(憲法93条、94条)が具体的にはどんなことか。


【憲法92条以下の地方自治、地方公共団体と住民の権利についてのまとめ】

☆意 義  憲法93条、94条の地方公共団体の意義については争いがあるが、地方公共団体は事実上住民が経済的文化的に密接な共同関係を営み、共同体意識をもっているという社会的基盤が存在し、沿革的にみてもまた現 実の行政の上においても相当程度の自主立法権、自主行政権、自主財政権等地方自治の基本的機能を付与された地域団体であることが必要であるとされる(最判昭38.3.27)とする。


 地方自治法は、普通地方公共団体として都道府県と市町村。特別地方公共団体としての特別区、地方公共団体の組合・財産区・地方開発事業団が規定されている。

 ☆構 成   憲法93条は、地方公共団体の機関を定め、地方議会の議員とその長は住民の直接選挙によって選ばれることを保障した。これにより須坂市に議事機関(議会)と執行機関(市長)があり、執行機関は外に教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会、監査委員会、農業委員会、固有資産評価審査委員会を設置する(地方自治法  §180-5)とされている。

 ☆権 能 憲法94条は、地方公共団体は@その財産を管理し、事務を処理し、行政を執行すること。A法律の範囲内で条例を制定することを認めている(但し条例の限界として、自治権の範囲。法律留保権との関係。法令による限界に留意)。

 ☆住民の権利として、
@地方公共団体の長、議員等の選任権(憲法93条-U)
A特別法の住民投票権(憲法95)   
B直接請求権(地方自治法§74) を規定している。

    我々国民(市民)は、これらのことを基礎知識として、地方自治論争を展開しなければならない。『地方自治における首長と地方議員との関係』、『地方議員の資質と役割』については、次号以下に順次記述します。

 【参考文献。 憲法要論 清宮四郎著 法文社298頁~、憲法T 清宮四郎著 有斐閣55頁~、日本國憲法 宮沢俊義著日本評論社762頁~、憲法講義(上)小林直樹著 東京大学出版会39頁~、憲法 橋本公宣著 中央大学282頁~、憲法 清水睦著 中央大学382頁~。法学教室1、4、5号、法学教室第二期3、6号有閣】


【中央政界通信】
 7/25付◎衆議院議員小坂憲次事務所より、須坂市の建設省関係の平成12年度公共事業等予備費  箇所付け速報が届く。内訳、直轄河川維持修繕費(千曲川)4千万円、公共下水道7千200万円。
☆小坂代議士は、この度の衆議院選挙により、衆議院逓信委員会筆頭理事、自民党通信部会長に就任された。

【天晴れな話題】
 千葉すず選手は見事自己主張した。須坂の中学生のために来坂願い『闘魂』を語ってもらいたい。
【故郷近況】
 須坂は、お盆の帰省による車の渋滞も解消され静かな街に戻った。大雨による被害も今の所なし


《議員日誌》H12年7/27長野市議会懇談会/28編集委/29県市議会議員親善野球大会8/3議員協議/4暑気払/8庁内協議/10一期議員研修会/11小坂代議士の会/12中学校同級会/15東京入管長野出張所/16陳情 /19大日向地権者会暑気払


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発行日・配信日:平成12年8月20日
発行人 市議会議員 佐  藤  壽 三 郎
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