古典落語・藪入り


 『父の日』に、子からプレゼントが届けられた。何故かしらこころが弾むと同時に心痛む・・・

 三遊亭金馬(三代目)師匠の「藪入り」をDVDで鑑賞しました・・・
いつのまにか話術に誘い込まれて、親父が子を思いやる様々な情景が想い浮かびて、何か身に迫るものがあり、目頭が熱くなりました。流石、名人金馬の得意噺の一席は一味違うものです。

 私もかって盆暮れに帰省した折に、母がしてくれた温かな気遣い・・・
そして世代が変わり・・・
私も親になり、母と同じ思いで帰省する子に接する思いは、将に落語の「薮入り」そのものです。

 気が付けば、学生時代のように夏休みに長期に帰省することも無くなり、盆暮れしか帰らなくなった子どもたちも、いよいよ忙しい限りの様である。反面嬉しく一面寂しいが、こうでなくてはならないと言い聞かせている。

落語の語りにあるように、
子が親を慕う・・・
親は子の健康を気遣う・・・
人の世は、この情話の如く、尽きない歳月の繰り返し絵巻である。


2013/6/17記す。