会議録は映像で残すべき時代だ


 地方自治法は、第百二十三条で、「議長は、事務局長又は書記長(書記長を置かない町村においては書記)をして会議録を調製し、会議の次第及び出席議員の氏名を記載させなければならない」としています。

 会議録の歴史は遥か昔に遡るであろう。
古事記や日本書紀、或は中世の「吾妻鏡」も会議録とも言えるし、江戸時代の各藩の書記掛が記した「藩の記録」も会議録と言えまいか。

 「万機公論に決すべし」と五箇条のご誓文に記し、近代国家をめざした明治時代には盛んに議会も開かれ、全国津々浦々の市町村議会は会議録を調製したに違いない。

 大和朝廷から今日まで記録を残す媒体が墨からインクに変わっても、書き記されるものが紙で或ることに変化はない。紙の歴史に果した役割は驚異と言わざるを得ない。

 然し時代は明らかに変わった。『ペイパーレス』の時代が叫ばれて久しい。録音機もリールを巻いて取っていたものが、カセットテープとなり、今はICに記憶をさせている。映像もフィルムからビデオとなり映像保存もDVDになりしかも映像が劣化しないまで改良された。

 であれば・・・
 議会の会議録を一々中央の業者に依頼して「文字起こし」をしてもらう時代ではなく、議会にデジタルカメラを持ち込んで、議会のありのままを音声と映像で保管する時代なのではあるまいか。

 議会の雰囲気や議員の息づかい、議員の発言の癖までものが議事録として保管されれば、後世の市民は時に感激し、時に憂い、時に平成17年の息吹を屹度感じるであろうと、今行政視察の課題である「議事録作成支援システムの導入について」の研修を受けながら考えていた。

2005/10/22 (土)