本屋の数は市民の知的のバロメーター


 私が若し「読書好き」の要因を強いて三つ挙げろと言われたら、
一つは、育ちが旧市街地(町場)であったので、近くに市立図書館や本屋或は貸本屋があり、本に接する機会が小さい時から社会環境的背景があったこと。

 次に、東京に出て弁護士さんの書生時代に、恩師は勿論、周りで法律家を志す仲間の読書量と読書欲に触発されたこともあるけれど、銀座であったことから散歩は毎日本屋巡りとした生活環境的背景が加わったこと。

 三に、書生時代に先生から頂くお手当の5%を書籍の購入代に充てることを決意して、今日まで実行して購読してきたことによる、読書をすることの楽しみを知ったことによる継続的購読背景があったと考えます。

 かって須坂市には、山下書店、西沢書店、タチバナ屋書店、あかつき書店、
岡沢書店が僕らの世代の本屋さんでありました。特に山下書店は小学生の頃からのお付合いで、「少年画報〜中1時代〜高1時代〜蛍雪時代」と月刊誌を定期的に届けてもらいました。

 東京から戻ってからは、山下書店に「文芸春秋・法学セミナー・不動産セミナー・ジュリスト・法学教室」等の定期購読をしたこともあり、毎月本をを届けて貰いましたが、残念なことに閉店されてしまいました。

 蔦屋書店、平安堂書店は「本の取寄せ」が極めて迅速で至急手に入れたい本がある場合に、大変重宝をしておりますが、配達をしてくれないのが難点です。

 須坂の書店も悲しいかな、CDやDVDのレンタルから文具、書籍と総合情報基地としての床面積をもつ「大型書店」にその域を明渡そうとしています。

 当時の書店で、今残っているのは幸高に移った西沢書店だけでありますが、私はなるべく我々の青春時代を支えてくれた西沢書店で、一冊でも余分に買ってあげようと出向いています。小・中・高校時代にさんざ立ち読みをさせて頂いたせめてもの恩返しと思うからです。


2005/10/23 (日)