市議会議員の使命に立ち返れ
                         市議会議員 佐 藤 壽三郎

 我々市議会議員は、地方分権一括法により地方自治体の首長の権限が強大なものとなった。相対的に地方議会(市議会)の活動も拡大されたと言える。

 然し、議会が大同団結即ち十把一束になることが、首長の権限強化に対抗する方策とは私には思えない。議会制民主主義制度は堅持されなければならない。議会中心主義を、一時の思惑や打算で廃棄するようなことがなされれば、過去に数多の名も無き人々が、自由と平等を求めて流血し或いは命を落としたるは、いったい何であったかと言うことになる。国民(市民)の固有の権利を守るための、議会制民主主義であることを、民主主義を守るための制度の要件として忘れてはなるまい。

 今回の自民党と民主党の騒動で、国会も「大政翼賛会」という言葉が久々に叫ばれた。当須坂市議会で私は声を大にしてことある毎に「大政翼賛会」のもたらした禍根を唱えている。「議員の烏合の衆」とは、議員の使命を忘れ、勇気を喪失した者が辿る終着駅だ!国会も、県会も「唄を忘れたカナリヤ」になってはいけない。国民主権主義は国家制度ではなく、人間の尊厳に立ち返ったときに最早時計を逆回転することを許さない国家原理である。



平成19年10月26日