干し柿の 日毎縮みて 往く秋ぞ 壽茶


佐藤壽三郎の議員活動報告詳報

ことぶき月報(No.158) 2011年11月号


終世書生気質:千曲のかなたをご覧下さい。


【12 月定例会のあらまし 】
 
 【私の議会内議員活動】


(1) 本会議の概要報告
 平成23年11月21日招集され、今議会に事件決議案2件、条例案5件、補正予算案5件の計13件が上程されました。
 会期は11月21日より12月13日までの23日間と決しました。


 平成23年12月市議会定例会に提出された補正予算(案)の概要
会計区分 . 補正予算(案)額
一般会計(補正予算3号) . 503.492千円
国民健康保険特別会計(補正2号) . 3,533千円
介護保険特別会計(補正2号) . 714千円
. 収益的収入 3,419千円
. 収益的支出 △2,316千円
. 資本的支出 589千円
下水道事業会計(補正2号) 収益的収入 44千円
. 収益的支出 3,181千円
. 資本的支出 △7,509千円


◎上程された一般会計の主なる補正予算の内容をお示しします。
事 業 名 補正の理由 補正額 担当課
健康診査事業 H24度に肺がんCT検査拡 143 生涯学習スポーツ課
福祉医療費給付金事業 H24度給付対象拡大 1,714 健康づくり課
地域生活支援事業 障害者自律生活体験事業増 3,576 福祉課
支援サービス事業 障害者自立支援法一部改正 41,602 福祉課
歩道段差解消事業 太子町線の工事費増額 20,000 道路河川課
生活保護費 新規支給対象者の増 2,093 福祉課
小学校管理運営事業 上田市委託児童負担金増額 3,937 学校教育課
中学校管理運営事業 上田市委託児童負担金増額 2,760 学校教育課
一般管理事務費 児童遊具の新設、撤去補助 1,470 子ども課
子ども手当等支給事務費 認定請求に係る経費増額 833 子ども課
私立保育所運営助成事業 特別支援対策事業補助金増 4,588 子ども課
通常保育事業 嘱託職員報酬等の増額 25,583 子ども課
保育所施設整備事業 須坂保育園建設費 337,549 子ども課
幼稚園就円援助事業 対象世帯増 5,854 子ども課
消防団運営事業 車両借上げ、公務災害補償費 238 消防本部
生涯スポーツ事業 教育費精査による負担金減 △8 生涯学習スポーツ課
水路改修事業 老朽化改修箇所の増 5,000 道路河川課
農道・水路補修事業 浚渫及び補修箇所増 4,000 道路河川課
商業振興事業 わざわざ店等開設支援補助 82,000 商業観光課
臥竜公園管理事業 児童遊園の更新 3,045 まちづくり課
道路改良事業(補助) 亀倉北原線工事費 95,000 道路河川課
公共交通対策事業 代替バス運行準備 14,398 市民課
賦課徴収事務費 電算システム改修 1,418 税務課

          ※詳細は須坂市のホームページをご覧ください。


(2) 議会運営委員会
1)11月21日開かれ、衆議一致で「今議会より、議案に対して個々の議員の賛否結果を議会報に掲載する」ことを決しました。議員の賛否の状況が判らない批難が寄せられておりました。小生も何年も前からこのことについては積極的に市民に示すべきと唱えて参りましたが、漸く実現しました。


(3) 今定例会に提出さされた主な議案です。
1) 今定例会に提出された事件決議。
  @市道の認定、変更の2件。
2) 今定例会に提出された条例案。
  @須坂市暴力団排除条例の制定について。
  A須坂市議会議員等の公務災害補償等に関する条例の一部改正。
   外3件
3) 今定例会に提出された補正予算(案)の概要です。
  @平成23年度須坂市一般会計補正予算第3号外5件



 【私が取り上げた今議会の一般質問&答弁要旨】


1. 須坂市民の幸せを叶える財政確保のために

(1)日銀松本の短観について
@ 須坂市における日銀松本の短観分析と、9月市議会以降における須坂市の景況感について。

(2)欧州不安、円高の先行きに影と、タイの洪水被害等に関する須坂市の対応策について。
 @ 市内企業の被害等の把握はなされているか。
 A 市としての緊急経済対策等についての救済策は。
 A 市内の企業の海外展開について、市が橋渡しを行なっているのか。

【質問趣旨】
 10月6日株式は暴落しました。原因は欧州の債務危機とタイの洪水で日経企業の3割が操業中止に追いやられているとのことである。

 地方自治体は健全な歳入がなければ、所詮は絵に描いた餅でしかない。国と違って市は野放図に市債を発行する訳には行かない。市民の暮らし向きを一心に考えるならば、市内の商・工・農に携わる全ての繁盛によって、市財政が維持されていることを忘れてはならない。日銀松本支店が定期的に出す「短観」はその意味では県内の経済動向を知りうる貴重な資料である。須坂市長もこの短観を注視されていることは経済と市財政(市税等)の係わりを認識されておられる証でもある。

 小職は、今後の市議会招集日冒頭あいさつにおいて、「市長の須坂短観」を述べられるように提唱しました。


2. こどもは須坂の宝であればこそ

(1)医療費無料について。
@ 18歳までの子どもの医療費をほぼ全額を補助している町村が倍増するなかで、須坂市の可能性について。

【質問趣旨】
 今議会に上程された「須坂市福祉医療費給付金条例の一部を改正する条例案は、子ども向けの医療費助勢の拡大を示す顕著な施策と高く評価をするものであります。三木市長も私も、広く「こどもは須坂の宝」と常日頃政策の基本理念として唱えていることを鑑みるとき、私は18歳までのこどもの医療費を無料にすることこそが、大切な言行一致であると思います。

 仮に15歳から18歳までの医療費負担額を認めたとしても、須坂の財政を逼迫するような額にはなるとは思えません。18歳までの助成を手がける市町村は5町14村に留まるようですが、手厚い施策が必ずや須坂の子弟の成年になって後の生き方に、大きな影響を及ぼすものと信じるからです。


(2)須高12社参加の就職説明会について
@ 須坂商工会議所が行った「就職説明会」は特記すべき事業と言える。この事業について須坂市はどのように携わったか示されたい。
A 須高管内の高校生の就職内定状況、須高管内出身の大学生の就職内定状況について。
B 須坂市の子弟は郷里に雇用の場を設けてあげて、須坂で生涯をすごせる施策の推進について。

【質問要旨】
 須坂商工会議所が10月21日開いた「須高区域の中小企業を集めた合同就職説明会」は、これは画期的な企画であったと高く評価します。
何故ならば、須坂の子女は、或いは須高地域の子女は、願わくば生れ在所の企業等に就職して、家庭を築き、子育てをし、余暇を十分に楽しんで、一方地域社会活動を通して貢献する一生を過ごせたらと願うものであるからです。

 この企画には須坂市は当然自治体として、強力に力添えをしたものと判断します。Iターン、JターンそしてUターンとタイプは様々であっても、この須坂市或いは須高地域に生活の本拠地を求めようとする若者に郷里須坂市の求人情報を提供す姿勢は大切な行政サービスであります。
市長は、来年度以降もこの企画を継続することを約しました。


(3)子ども向け新手当について。 
@ この新制度における須坂市の財政負担等について。
A 子ども手当ては当初全額国費で賄うことになっていたのではないかについて。

【質問要旨】
 子ども手当は、民主党が09年のマニフェストに掲げた目玉政策で、「社会全体で子育て世帯を支えるという理念」に沿って10年度から中学生までの子どもを対象に施行されました。

 私は子ども手当てが、果たして真の社会保障制度といえるか聊か腑に落ちません。この施策によって親子の絆、家族の絆が子ども手当によって溶解(メルトダウン)していくのではないかと懸念します。亡国の階段を一歩踏み外したと憂慮しています。

 国が、本当に社会的弱者に手を差しのべる施策を講ずるならば。個別的な奨学金制度の充実を図ってあげる。或いは就学援助費の質を更に充実してあげる。18歳までの医療を無料にしてあげることこそが、温もりのある施策であると思います。


3. 須坂市が発展するための諸課題について

(1)市街地活性化法が施行されてから5年を経過する中での、市街地の検証について。
  @ この法律の効果は当市市街地で見られたか。
  A この法律を運用するに当たっての市当局の留意点について。
  B この法律は須坂市の市街地活性に期待が持てる法律か。

【質問趣旨】
 日本が、人口も経済も右肩上がりの時代には、マイホームを何が何でも取得したい人々の願いがありました。昭和46年1月須坂市が都市計画法を受け入れた、これは須坂市の人口規模からすれば、参入しなかった方が良かったのではないかと感じます。市街化区域と市街化調整区域に二分されてしまうこの法律の規制により、住宅を求めた人々は、都市計画区域外(未線引き地域)である、かっての東村の亀倉、夏端、東夏端、豊丘地籍、或いは高山村に宅地を求めて進出しました。

 人口減少、高齢化時代を迎えた現在、須坂市の中心市街地は虫食い状態のように空き地が目立ちます。かって買い物客で賑わった商店街も閑散として、平日は殆ど人影を見ないのが実情です。亦、須坂市の郊外に住宅を求められた方々も、子どもたちが成人になり、須坂に働き口がなく、止む無く大都市に就職をされた家庭事情から、残されたご両親のうちどちらかが先立たれたために、とても郊外で生活することは困難である。何とかして須坂病院の近くに転居したいが、持ち家が余剰状況にある住宅市場からしても住宅の処分も侭ならない。中々難しい問題を抱えておると思います。
 
 亦、近ごろ須坂市が市内の65歳以上を対象に実施した「買い物環境に関するアンケート結果によれば、日常の買い物が不自由になっている「買い物弱者」が市内に最大で700人いるとのことです。700人を700世帯と捉えるのかさて置いて、自宅から最も近い店まで5km以上が3.7% 5km以内が26.3%、1km以内が29.8%等を考えると、凡そ6割420世帯の市民が不便を強いられていることが窺われます。

 須坂市の地形を鳥瞰しますと、典型的な拡散型都市であると思います。コンパクトシティーとしては、小布施町をあげることが出来ると思いますが、須坂市の行財政の運営コストを考えたとき、100年日後も、きらっと輝きを放つ文化都市須坂を願うならば、我々須坂市も本格的高齢者時代が到来する前に、コンパクトシティーを築く必要があると考えます。如何に中心市街地に居住を回帰させるかが大きな課題ですが、これを乗り越えた全国の自治体こそが輝きを増すことが出来ると確信します。


(2)屋代線用地無償譲渡について。
  @ 長野電鉄のご都合による申出に対する市長の見解について。

  
【質問趣旨】
 長野電鉄は、10月28日に長野市へ、31日には須坂市に『来年3月末で廃止する屋代線の鉄道用地を地域の発展に役立てて』と無償譲渡を申し入れました。詳しい内容は市長が議会に示さないので、新聞で報じられた域を出ませんが、どうも申入れの趣旨からして、「撤去した後の細長い帯状の廃線軌道跡は道路として有効できるから、線路や線路敷き、架線や鉄柱、通信ケーブル等、鉄道運行に不可欠なものを一切合財須坂市の費用で撤去して下さい。」の話のようであります。

 長野市は、11月14日「活用が難しい土地、施設は受け入れず、必要に応じて鉄道施設の撤去を長野電鉄に求める」対応方針を明らかにしました。至極当然な選択であると思います。そこで須坂市の態度を質しました。


(3)スキー場の復興支援策について。
  @ 峰の原高原スキー場を抱える須坂市の取組について。

【質問趣旨】
 県観光部は、利用客の減少が続くスキー場の振興と冬季の誘客に取組む「スノーリゾート信州」プロポーション委員会を設立し、スキー場の旅館やペンションを後押しする企画が報じられております。スキー場のある市町村、スキー用品メーカー、県体育協会、県教育委員会が加わる内容です。

 近年、様々な企画やイベントを掲げてきたけれども、1992年のピーク時の2119万5千人から、昨年から今年3月までの利用者は、640万7千人まで落込み、県内スキー場への利用者の減少傾向に歯止めが利かない。原発事故により相次いだ外国人等の宿泊キャンセルも白馬村ではあったようです。これはスキー場で食べている皆さんにとっては死活問題であります。

 須坂市、須坂市観光協会、或いは峰の原観光協会等と連携して、スキー場の復興を支援すると同時にペンション等の誘客を後押ししてあげる喫緊の課題であると思います。須坂市の姿勢を質しました。


(4)小規模な旅館と小規模な美術館や博物館が連携して、観光客の誘客に市が支援する施策について。
@ 須坂市への観光客の誘致は、小規模な旅館を市が改装等に後押しをして宿泊施設を整備し、須坂の郷土料理を提供し、旅館が市街地にある利点を活用して、須坂市内の小規模な美術館や博物館等を回遊して頂く観光事業に手を貸すべきではないか。

【質問趣旨】
 我々団塊の世代の皆さんが第一線を退かれ、時間的余裕が生ずる生活で、じっくりと地方に散在する観光地を数日逗留して、そこの郷土料理を味わい、町並みを隅々まで歩き回り、小規模な美術館や博物館を訪ね廻ることが流行のようです。

 須坂市で、須坂温泉古城荘、仙仁温泉岩の湯、福寿温泉福寿荘は温泉を自前で所有する旅館です。街なかには魚なか旅館、四明館、としみや、サンシャインエイト、謡曲にも登場する桐の里井上町の旭日館を挙げることができます。何れも伝統があり信用があればこそ、今日まで営業を続けておられる旅館であります。この旅館と連携して須坂市に観光客を引き水出来ないかが課題です。

 須坂市景観基本計画に示すように、「須坂市のこれまでの景観形成に関する取組みとしては、市民による「信州須坂町並みの会」が昭和61年に結成され、啓発活動をはじめ、町並みフェストや、「町並み景観賞」を創設するなど、積極的な活動が行われている。

 市では、町並み調査や保存対策調査などを行ない、景観形成住民協定(現在16地区)、歴史的建造物の保全修復事業、町並みめぐりコースや街路整備事業、ミニ博物館設置事業、あるいは蔵造りイメージの公共施設等の新築など、町並み形成に向けた取り組みとして積極的に推進している。」が、これとても全国から観光客が訪れてくれて初めて評価に値するものである。

 大切なのは、観光客をこれら小規模な旅館に誘客するには、旅館の厨房施設や浴場或いは洗面所等の改修費に対する補助を積極的にしてあげることも必要です。観光客が旅館に泊まる。街中に観光客が溢れる。商店街をひやかす。必然須坂が潤う。潤うことによって税収が伸びるための初期投資は、須坂市が面倒をみてあげる仕掛けが大切であると思います。


(5)須坂市への企業誘致について。
@ 震災地域の企業が、長野県内に移転している事実と、日滝原工業団地への企業誘致について。

【質問趣旨】
 郷土須坂市が誇りとする企業で、産業機器などの製造のオリオン機械は、栃木市に国内4カ所目となる新工場を建設し10月から操業を始めました。新工場の敷地は約1万2400u、床面積は延べ約5100u、投資額は約7億円。この新工場が仮にこの須坂に新設されたならば、須坂に住まう多くの青年の雇用の場が確保されたのではないかと私は思いました。然し企業としての「危険分散」方針の一環であられることからすれば、納得もします。

 亦、コネクター部品製造の鈴木は、日滝原工場に約9億5千万を投じて、小型コネクター部品の生産体制を強化されたとのことであります。更に、新町の農業楠さんは、念願のワイナリーを亀倉に設立されました。この事業が成功するように市民は皆で支援をすべきです。

 ところで、県内の工場立地は堅調であると、日本経済新聞は10月22日付にて「信州リポート」で報じました。東日本大震災で被災した精密プレス加工、自動車部品製造業、金型製造業、コネクター製造業、食品業、農業等の企業や工場が長野県内に拠点を相次いで移転している様であります。

 工場新築の余裕のある会社には須坂市は県営日滝原工業団地を斡旋し、直ちに操業したい企業には、市内に空き工場や空き倉庫等の遊休施設等を斡旋して、東北企業をこの須坂市に誘致できる絶好のチャンスと捉えるべきです。活気みなぎる須坂市の復興は経済活性化にあります。須坂市は、積極的に東北企業に手を差しのべる姿勢をしめすべきです。

 須坂市は、戦前のある時期から大都会にあった企業が、「戦争疎開」で須坂に空き工場を求めました。富士通信機製造株式会社(富士通)や秋田工場は団塊の世代以上の方々であれば、誰もが知っています。前述の東日本大震災で被災した精密プレス加工等の企業が、津波のない山国信州須坂に工場を移される希望企業には、須坂市は最大限の力を差しのべることが肝要ではないか。

             須坂市議会定例会録画中継


 【私の議会外議員活動】


11月11日〜12日 高校時代の同級生坂田山にて行方不明の捜索
11月13日 第15回佐藤壽三郎市政報告会を開催しました。参加者凡そ60名
〇 須坂市議会議員佐藤壽三郎の議員活動報告
〇 参議院若林健太議員の国政報告
〇 三木市長の須坂市の将来像と現下の課題解決等
11月26日  第35回ゆきとどいた教育をすすめる保護者・地域住民・教職員につどい」に出席。
11月27日 植木新一叙勲祝賀会(発起人として)が催されました。




【北信濃鏡】
11/3 市長表彰、境沢町文化祭、行政相談 /4陳情現場検証 /5市民相談 /8須坂市戦没者追悼式、/9〜10 議会運営委員会行政視察(多摩市、厚木市)/11森林・林業・活性化議員連盟、坂田山捜索本部 /12行政相談 /13第15回市政報告会 /14議会運営委員会 /15長野広域連合打合せ /15〜19一般質問資料分析 /20市民相談、一般質問原稿推敲 /21議会招集、議会運営委員会、全員協議会、本会議、予算決算特別委員会 /22元市議会議長永田保儀葬儀 /23一般質問推敲 /24行政相談、長野広域連合議会 /25行政相談、一般質問推敲 /26民主教育を進める集会 /27元須坂市議会議長植木新一氏叙勲祝賀会 /28行政相談 /29一般質問に登壇。/30一般質問


今月号は佐藤壽三郎メールマガジンVol.417〜Vol.418をまとめたものです。

平成23年11月30日
編集:発行人 須坂市議会議員(新自由クラブ)佐 藤 寿三郎
須坂市墨坂南1丁目(境沢町)