春に酔い 桜に酔いて とき忘る 壽茶


會報ことぶき 月報(No.79) 2005年4月号



(須坂市議会議員佐藤壽三郎の議員活動詳報)



【コラム・千曲のかなた】 違いこそ宝とおぼえけり


 東京と須坂では桜の開花時期が半月程違う。東京の桜は入学式や入社式に合わせて「満開」に咲きほころぶが、須坂の桜はその頃は「硬い蕾」である。須坂市の海抜からすれば、東京タワーの天峰に住んでいるに相当するので、開花の違いが生ずることは理屈では分かるが、摩訶不思議がよい・・・

 その土地ならでわの気候と慣わしは、永年の歳月を経て歳時記として伝わっている。農耕民族の歴史なのであろうか苗代が一番顕著である。『雪形』などは最も確かなその地方の暦なのであろう。年によって地方によっての「違い」がある・・・

 然し、歳を重ねるにしたがって、最近はこの諸々の違いを僕は頗る気に入るようになった。『違いこそが味であり、違いこそが宝』なのであるまいかと・・・

 ところで、故郷を遠く離れて都会に就職した幼馴染も、そろそろ定年を迎える。いつしか李白の詩の奥深さを、漸く解る齢(よわい)になって来ている・・・


君見ずや 黄河の水 天上より来たるを。奔流し海に到って 復た帰らず
君見ずや 高堂の明鏡 白髪を悲しむを。朝には青糸の如きも暮れには雪と成る

李白「将進酒」(中国名詩選 松枝茂夫編、岩波文庫)


1. 【議会のあらまし】

2).議会運営委員会(全員協議会)


3月24日開催。3月定例会一般質問での「議会の信用を失墜させた発言」として、2議員の責任問題を討議することを合意。

4月12日午前9時開催 第三委員会室
 議題: 一般質問の件について。
      一般質問の内容は、
@ 相手の立場になって聞いていたならば不快感を覚える発言はしない。
A 事実と異なる発言、根拠が不明確な発言はしない。
B個人のプライバシ−や基本的人権に抵触するような発言をしない。
  これらに抵触するような場合は、不穏当な内容として議する。




 3).会派代表者会議

 4月12日(火曜)午前10時半〜第3委員会室
      議題:会派室の造作について。




 4).総務文教委員会関係

@ 森上地域児童クラブの開所式
4月4日(月)午後5時、森上小学校図工室。

設置趣旨:須坂市では、核家族化の進行、女性の就労機会の増大などによって留守家庭児童が増加していることから、放課後児童健全育成事業を推進するために、森上地区に「地域児童クラブ」を開設する。所管の総務文教委員長として出席。


A 4月5日(火)市立小中学校一斉入学式挙行
ご入学おめでとうございます。

○新小学生548名(4/1現在)
須坂小42名 小山小76名 森上小59名 日滝小46名 豊洲小47名 
日野小66名 井上小51名 高甫小36名 旭ヶ丘小50名 仁礼小48名 
豊丘小27名

○新中学生508名(4/1現在)
常盤中学95名 相森中学159名 墨坂中学165名 東中学89名


B 4月10日午後。須坂市民茶会に委員長として出席。


C 4月11日午前。鹿児島市の洞穴探検中学生死亡事故に関係して、須坂市内に点在する戦時中の防空壕や洞穴等の危険箇所調査を教育委員会(学校教育課)に申入れた。


D4月14日 第116回 県市長会総会
 県下18市の市長が一堂に参集して、各市が抱えている課題を話し合う会議がメセナで催されました。今回は須坂市が主催市。総会は市長会会長挨拶。次いで開催市市長として三木市長があいさつをされた。

 次いで、来賓の田中康夫知事の祝辞(信毎4/15付ご参照)、、藤原忠彦長野県町村会長の祝辞、地元市議会として私、佐藤総務文教委員長が議長の代理として祝辞を述べました。

【小職の市議会議長代理としての祝辞の要旨】

 本日は、この須坂にお集まりを頂きまして、「長野県市長会総会」を開かせて頂きますことは、須坂市民にとっても、須坂市議会においても誉れであります。心よりご歓迎を申しあげます。


 私は、『今ほど地方自治がおもしろい』と感じております。今を生きる我々にとっては、地方自治こそが、最も身近な市民の息づかいや、地域経済の鼓動
を、もろに感じることができるから、おもしろいと感じるのであります。
おもしろいとは、遣り甲斐のある仕事と言う意味であります・・・


 伊藤左千夫という小説家がおりました。あの「野菊の墓」を書いた作家ですが・・・

 この伊藤左千夫の『浜菊』という小説の中で、主人公が学生時代の友人に力説する部分があります。


 「吾々が時代の人間になるのではない。
  吾々が即時代なのだ。
  吾々以外に時代など云うものがあって堪るもんか。
  吾々の精神、吾々の趣味、それが即時代の精神、
  時代の趣味だよ。」

とする件(くだり)があります・・・


 世の中仕組みが、専制政治から民主主義に、権利の乱用を防ぐために三権分立が敷かれ、今亦、国と協働・対等であるとする地方分権時代に変わろうとも、為政者として、市民のために、市政のために一時代を築くリーダーの「やる気」は、かくありたいとこの本を読んだ時に感じました。


 ときは春。先ほどの三木市長からのご紹介にもありましたが、須坂市には全国の桜百選に選ばれました「臥竜公園の桜」がこの会場から僅かばかりのところに御座います。本日は遠藤守信教授の特別講演が公園内の公会堂で計画されておりますが、その際は、池の端で開花の時を静かに待つ、「花も蕾も若桜」を、是非ご堪能賜りたいと存じます。


 本日の総会が実りある会議であることを、ご祈念申しあげまして、須坂市議会としての祝辞とさせて頂きます。
                                以上



E 信州すざか農業小学校豊丘校開校式・入学式
 4月16日(土)午前10時、須坂市豊丘活性化施設。
 本校開設の趣旨:子ども達の健やかな成長を願い、年間を通した自然・体験活動の場として、異年齢の子ども同士や家族。地域のみなさんとのふれあいの場として開校するもの。校長:羽生田郁雄、教頭:坂田安弘、事務長:井浦幸男の各氏外地域の農家が先生を担当。所管の総務文教委員長として出席。出席者:市長以下凡そ180名


F 4月19日午後1時 委員会開会 会場:第4委員会
   議題: 行政視察のテーマと視察先を確認。
       行政視察のテーマを分担した。


G 4月21日午前9時 墨坂中学校体育館建設工事安全祈願祭に出席。
 来賓として挨拶に立った三木市長は「こどもの教育の為、万一の避難所として体育館が建設される。これも地元の熱意によって適えられたもので関係各位に感謝する。須坂は百年の計として人づくりを重点施策とする」と述べた。



 5).須坂市議会定数等改革検討委員会

@第2回委員会 4月7日午後1時半〜3時
    ○検討項目の確認について外

A第3回委員会 4月19日午前10時 第3委員会室
協議事項:検討項目のスケジュールについて。
      研修会及び市民との懇談会等について。


2. 【私の議会外議員活動】


@ 4月4日 午後 三峰社春季祭礼に参加
A       菊城流 菊城流春の舞交流会出席
B 4月5日 午前中:森上小学校入学式に参列
C       午後〜:墨坂中学校入学式に参列
D 4月6日 午後7時半。泉小路活性化の会に出席。
E 4月8日 泉小路活性化の会の会則起稿
F 4月9日 境沢町との企業懇談会に出席
G 4月13日「泉小路活性化の会」の幹事とまちづくり課との
        行政懇談会
H 4月13日「泉小路活性化の会」の設立趣意書を作成。
I 4月16日「泉小路活性化の会」
J 4月22日 須坂市委託清掃共同組合総会に出席
K 4月22日 須坂商工会議所境沢町支部総会に出席


3. 【自主研究:地方議会と市議会議員】 


第1章 地方分権時代の地方議会の役割

 
 須坂市議会定数等改革検討委員会は、既報のとおり「先ず結論ありき」の手法に異議を唱え、「これからの地方議会と議員のあり方」の論議が十分になされることの必要性を強固に推し進めます。地方分権と言いながらも政府は地方自治体を小僧扱い。手法が詭弁とも搾取とも思えます。然し国家も「統治権」を軟弱なものにすると、国家の存立に関わる問題にもなる。国家は、「地方自治の限界」を明確に示すべきだと思います。


 長野県は「平成の大合併」の成果か煽りか、この4月1日から120市町村から81市町村に減少した。そのうち10万人以上の市は、長野、松本、上田、飯田、佐久の5市であり、5万人以上10万未満の市は須坂市外7市、1万人以上5万人未満が26市町村、1万人未満の町村は42である(信濃毎日新聞3/31記事から)。


 ところで、県内の小規模自治体が公用車の売却や広報誌をカラーから一色に変更する等「必死の経費削減」を図っていることを信濃毎日新聞は取り上げた(3月29日付朝刊)。


 心ある首長や理事者は、湯水の如く地方交付税や補助金を「打ちでの小槌」として使うことに、本来疑問をもつべきではなかったか?今日の自治体が経済破綻に陥ることは十分予知しえたことではないか。リーダーたるものライブドアの堀江氏の言葉を借りるならば、どんな場面にも「想定済」でなければならない。


 市町村は、尤も身近な住民のための公務であるにせよ、鉛筆はこれ以上使用に耐えない短さまで、使おうとする役所の倹約は大いに必要だ。極限までそり落として欲しいものであるが、しかしこれとても必ず限界がある。


 小職は市議会議員出馬にあたって職員の大幅削減を提唱した。須坂市は僕が目標に掲げ200名削減に向けて突き進んでいる。小さな市役所(行政庁)こそが財政建直しの急務である。


 民主主義は、首長や議員が4年毎に入れ替わるが、公務員が終身雇用を保障されている?ところに民主主義の矛盾を感じてならない。


 これでは官僚、市役所職員の天下であって、何のための首長・議員の公選制なのか、議会制民主主義なのかが分からない。国是を形とおりに具現するならば、公務員の終身雇用論理はどこにも出てこないはずだが。僕の唱える公務員10年毎の再雇用説は茲にある。


 県内の市町村でも、読売新聞の取材によると、「深刻化する財政難を背景に1日現在、条例で助役または収入役を不在にしているのは、県内市町村の4割近い39市町村もあることが、読売新聞長野支局の調べで分かった。条例によらず空席になっているケースも含めると、助役と収入役のどちらかを置いていないのは53市町村に上る」(読売新聞長野版4/3付から引用)とある。


 三役を欠く事には、法的保護の一番弱い部分を衝いているに過ぎず、十分な論議が必要と感じるが、いずれにしても市町村は存立を賭けていることが窺える。


 法務省は、民間の刑務所を全国に2箇所実現にむけて進めていることを考えても、時代は官から民に溶解していると言える。
日本が国際社会で名誉ある地位を占めたいならば、外交的に相応の強調と分担も必要であることは分かるが、然し外国に外面を良くして、内政財政が瀕死になって国民を泣かせるようなことがあってはならない。幕末の井伊大老が抱えた開国の課題は、実は国家として存立させるための永遠の課題なのかもしれない。


【参考文献、地方栄えて、日本は破産:村野まさよし著・講談社/地方政治が危ない:樺嶋秀吉著・サンドケー出版局/政は官をどう凌ぐか:金子仁洋著・講談社/構造改革戦略と自治体:自治体問題研究所・自治体研究社/自治体アウトソーシング:自治体研究社/公務の民営化と公務労働:西山敏外2名共著・大月書店/これからの世界と日本:長谷川慶太郎・PHP】

(佐藤壽三郎メールマガジンVol.85に掲載)





第2章 地方分権時代に求められる市議会議員像


 「須坂市議会定数等改革検討委員会」に出席して気になることがある。定数や報酬について、早急に結論を出そうとする一部の委員の言動を。何故に焦るのかと。


 地方分権時代の地方議会の役割、国と地方との対等とされる時代における市議会議員の役割は、「地方分権一括法」が施行されてから、使命が違う自覚なく、寧ろ片手間議員が増えている現象がある。「この点を再認識してから各論とも言える議員定数や報酬を論ずるべきである」と・・・・・・


 須坂市の議会改革を推進してきたグループに属する議員は唱える。一方でグループに名を連ねている議員が、臆面もなく論理一貫性のない「ちぐはぐ」な発言をする。明らかに「パホーマンスかポチ」と思われる発言に苦笑する場面もある。我々の学習会や討論会に顔を出すも、中味を自分のものに消化しきれないのは、本人の資質的なものであり、実はこれが当人の等閑の正体なのかもしれない。


 さて、議員の資質についての有権者の意見をまとめると、凡そ以下のようであります。彼方のご意見もメール等でお寄せい頂きたいと存じます。


@20代、30代の青年も市議になれる環境を整えるべきでないか。今の市議の置かれている条件では、わが子に「大きくなったら市議になりなさい」とはとても勧められません。なぜなら、わが子の人生が台無しになりかねない、極めて社会的にも経済的にも不安的な評価の職だからです。

A市議も法律や財政学等を学んだ専門的知識を有する人や、広範な視野を持つ人が望まれる時代です。毒にも薬にもならない陣笠議員は、八方美人で飽きる。このような市議は、結果的に市政や市民の役に立たない。

B市議は人気投票であってははならない。選挙で高得票を得ても、議員としての資質に欠け、結局は片手間議員であるならば、選んだ市民にも責任がある。

C議員定数を減員し、報酬を上げて常に自己研鑚し、市が抱える課題に取組める質の高い市議こそが、これからの地方議員であり地方議会だ。

D市議の報酬を生活給にしてあげて、市議は市政に専念してもらいたい。

E何年も本会議で質問しない議員がいるが、正直呆れている。議員活動を全くしない議員も、選挙をすると落選するどころか再選される。選挙上手では済まされない。有権者の資質もあるのではないか。

F市議の活動内容や、市議が市政をどう考えているのかが伝わらない。

G市議は、合併前の旧村である地域の代表ではない。全須坂市的な視点に立った行動と発言をして欲しい。

H市議は名誉職であってはならない。市政の実務家であって欲しい。議員を取り巻く環境は、有権者にも責任の一端がある。

I市議の中には、企業の経営者が果たして市議としての役職を務めあげることができるのか疑問です。片手間的感覚の議員ち言われても仕方がない。。解決策は市議で食べれるようにしてあげることだ。




第3章 県内43町村が財政難で収入役不在
 
 
 自治体の「金庫番」として会計事務を管理する収入役を県内84町村の51.2%に当たる43町村が置いていないことが、信濃毎日新聞社の調べで4月13日分かった。国・地方税財政の「三位一体改革」の影響で歳入不足に直面する中、経費節減策の一環で廃止に踏み切るケースが多く、7町村は収入役だけでなく助役も置いていないと報道。


 13日現在、収入役を置いていない町村は南信17、中信14、東信7、北信5。中南信地方で目立っている。18市では、小諸市が収入役を廃止している。


 地方自治法上、町村や小規模の市は条例を制定して収入役を廃止でき、市町村長や助役が兼務できる。43町村中、38町村が収入役を廃止する条例を制定。現在は収入役がいる2村も廃止条例を制定済みだ。


 条例は1998年に下伊那郡浪合村が制定。02年から追随する町村が出始め、同年に3村、03年に10町村が廃止。三位一体改革が始まった04年は18町村に達した。今年も6町村と小諸市が廃止している。一方、5町村は条例を制定せずに「空席」にしている。


 廃止の理由は財政難への対応が多いが、合併を控え、任期切れで退任した収入役の後任を置かずにいるところもある。


 助役も県内の16町村が廃止や空席にしている。経費削減を目的するケースが多く、9町村は収入役を置いて助役を置いていない。助役、収入役ともいない上高井郡小布施町は、2月の臨時町議会に提出した助役の選任案を否決され、空席となっている。一方、諏訪郡富士見町と上伊那郡箕輪町は収入役を廃止し、より幅広い業務が担える助役を2人に増やしている【信濃毎日新聞4月14日付朝刊】


 さて、最も大切なことは、民主主義の今日に至るまでの歴史的過程を重視しなければ、徒に「財政的理由から」と役職を廃止や切り捨てることは、歴史の時間を巻き戻すことになると思う。
民主主義は強いようでいて実は脆い!合理化や削減、廃止は一時(いっとき)適宜と感じるが、後に法治国家の碑を瓦解させるような結果に陥ったとすれば、機能の回復には想像を絶する時間と資金が要求されるのではないか。


 独裁者はいつの世も、恰も救世主のように出現し喝采を浴びるが、ある日突然に豹変する。このとき既に遅し!文民は為す術も無く、権力者は数多の市民の人権を蹂躙し人命を奪うは、歴史が示しているではないか!
民主主義を保持するには、何重ものガードが必要であるし、相当のお金もかかるのである。これを高いとみるか?安いと見るか、有益とみるか、無駄と見るかは、偏(ひとえ)に住民の人権意識に対する価値観や人生観かもしれない・・・


  

4. 【自主研究:須坂の防災と治安】

第1章 北信地方は大丈夫か

 2004年12月26に発生したスマトラ沖大地震・津波は、史上最大かといわれるM9の地震であり、空前絶後の死者と行方不明者を出した。多分有史以来罹災者以外の人が映像で津波の恐怖を知ったのではないか。
更に今年の3月28日、スマトラ島西方で米地質調査所発表M8.7(気象庁発表はM8.5)の地震が発生したが、12月26日の規模に比べると、6分の1から3分の1の規模であるらしいが、震源地は地球規模からすれば極めて近いと言える(南日本新聞3/30付社説)。


 気がかりなのは、私が12月議会一般質問で為したように、以下は一般質問の議会議事録ですが、「「善光寺地震に学ぶ」という本でありまして、2003年7月に発行された部分ですが、この中で私は今回大変貴重だったなと思うのは、この中の45ページに、1828年の三条地震と善光寺地震の間の地域には、文書記録としての地震の記録がない。つまり、飯山より北では今後、震源断層が動く可能性が残されている。その地震の大きさは善光寺地震と同じ程度と考えられるということが書かれている」(市議会12月議事録より転記)とする件(くだり)である。


 前述のとおり、スマトラ地震は極めて近い地域で、極めて短期間に2回の大地震があった。私達が肝に銘じなければならないのは、157年前の善光寺地震(M7.6と推測される)、 昭和16年7月15日に起きた長沼地震(M6.2)である。そして昨年10月23日に起きた新潟中越地震(M6.8)である。何れも震源地を千曲川で結ぶことができることからしても、「地震エネルギーが新潟県川口市と須坂市までの千曲川流域に温存されている」とする研究者の意見に耳を傾け、市民も、「新潟中越地震程度の地震がいつ北信地域に発生してもおかしくない!」と自覚し、市も国、県とともに防災体制を整えるべきである。墨坂中学校体育館改修が新潟中越地震の被災等を勘案して、市民の万が一に対する避難場所の確保のためでもあるが、この施策は評価できるものである。


第2章 断層の脅威

 私は所管の総務文教委員会で、ことあるごとに「須坂が万が一、地震にみまわれても、限りなく死者をゼロに近づけるための施策を怠るな」と発言しています。

【参考文献 善光寺地震に学ぶ:赤羽貞幸外1編著、信濃毎日新聞】(メルマガVol.86)


 メルマガ86号で「千曲川沿いの地震の危惧」を訴えましたが、私がメルマガで提示した危惧を4月14日付信濃毎日新聞朝刊が答える形となった。「M7.4  30年で確率1% 十日町断層帯西部活動を想定」と見出しをつけて取り上げております。以下は、信濃毎日新聞の記事の要約ですが、メルマガ86号と対比させながらご覧頂きたいが、結論は「新潟中越地震程度の地震がいつ北信地域に発生してもおかしくない!」ことに変わりはなく、寧ろ極めて高い確率があることの裏付けとなる。以下は新聞記事の要約である。


(1)十日町断層帯は二つある

 政府の地震調査委員会は13日、新潟県小千谷市から長野県境付近に至る「十日町断層帯」のうち、

1)「西部」の断層が活動した場合
@ 長さ約33キロの断層がある
A マグニチュード(M)7.4程度の大地震となり、
B 今後30年以内の発生確率は1%とする長期評価。
B国内の主な活断層の中では、確率がやや高いグループに入る。


2)「東部」が断層が活動した場合
@ 約19キロの断層がある。
A 活動した場合はM7.0程度の地震となる。
B 30年以内の確率は0.4―0.7%。



(2)両断層の総括

@ 同断層帯は、新潟県中越地震の震源の南側に位置する(研究者の中には、一帯を善光寺地震(1847年、M7.4)と新潟地震(1964年、M7.5)の震源域を結ぶ大きな断層帯の一部とする見方がある)。
A 十日町断層帯付近はこれまで、地震の記録がない「空白域」といわれている。
B 今回の評価でも最新活動時期が分からず、複雑な地質状況などに阻まれ、地下構造に関するデータが不足している。同委員会は早急な情報収集の必要性を指摘している。



(3)地震調査委員会の苦心部分

@ 各断層での最新の地震発生時期と発生間隔を基に確率を計算。
A 松本市などを通る糸魚川―静岡構造線断層帯(糸静線)の30年以内の地震発生確率を14%としてきた。
B だが、十日町断層帯では過去の活動状況が解明されていないため、発生時期の規則性を考慮しない別の方法で計算した。

T.断層の長さやずれの大きさなどから、従来の方法で推計すると最大12%となる。
U.事務局の文部科学省地震・防災研究課は「あくまで参考値」とする
V.その場合は糸静線に匹敵する発生確率となるだけに、防災対策の強化が求められる。


【参考文献・地震と防災、塚原弘明編書:信濃毎日新聞社。善光寺地震に学ぶ、赤羽貞幸外1名編著:信濃毎日新聞社】(メルマガVol.88)


第3章 地震危険度マップから読み取れるもの

 メルマガ86号、88号で地震の危惧を訴えましたが、4月10日日本時間午後7時30分ごろ、インドネシア・スマトラ島中部の西方沖のインド洋で、マグニチュード6.8の地震が発生した。昨年12月、今年3月そして今回と大地震が発生している。


 4月11日午前7時22分千葉県東北部を震源地とするマグニチュード6.1(震度5強)の地震が発生し、関東平野、東北地方、上信越地域の広範囲を揺さぶりました。


 政府の「地震調査委員会は平成17年(05年)3月23日、「地震危険度マップ」を発表しています。
それによりますと、東海地震などの海溝型地震のほか、未知の断層も含めて各地の活断層の情況を考慮し、30年以内に震度6弱以上の地震が発生する確率を算出したとあります。


 地震発生確率が「26%以上の市」をみると・・・・・・・
静岡市86.1% 甲府市81.6% 津市58.5% 高知市48.2% 徳島市41.8% 名古屋市35.8% 横浜市32.4% 千葉市27.1%。
そして長野市5.7% 因みに長野県の隣県関係では、富山市2.5% 岐阜市7.6% 新潟市3.2% 前橋市0.87% さいたま市11.9% (静岡、山梨、愛知は前記のとおり)


 須坂市は隣市長野市が5.7%と低いからと安心はできない。@長野県は縦に長いこと。A静岡県と地続きの隣県であること。B静岡から紀伊半島沖の太平洋で東海地震、東南海地震、南海地震という100〜150年程度の周期で海溝型地震が起きていること。C糸魚川-静岡構造線が県内を縦断していること等を考えるとき、静岡市の86.1%の数字を、北信に住んでいて静岡とは程遠い距離にあるも、我々は努々(ゆめゆめ)忘れてはならない。


 亡き母が、「十歳の頃、大きな地震が木島村を烈しく揺すった。夕方の号外で昼間の地震は東京(関東大震災)だったと父さんが言った」と話をしてくれたことがあったが、地震にとっては静岡⇔須坂間も、東京⇔須坂間も、きっとまばたきの距離でしかないと言える!これが怖いのである。

【参考文献 月刊新聞ダイジェスト5月号。地震と防災、塚原弘明編書:信濃毎日新聞社。善光寺地震に学ぶ、赤羽貞幸外1名編著:信濃毎日新聞社】


    

6. 【小・中学校関係情報】

1).森上小学校の伝統ある校歌1番が、「現下の学校環境と歌詞が合わない理由で、入学式や卒業式で歌われていない」ことを重く受け止め、解決策を模索しております。


2).児童クラブの設置完了
   須坂市はこの4日に行なわれた、森上小学校と日野小学校への児童クラブを設置することにより、市内11小学校区すべてが整ったこととなる。

 児童クラブの設立趣旨が、「核家族化の進行、女性の就労機会の増大などによって留守家庭児童が増加していることから、放課後児童健全育成事業を推進するため」であることを鑑みるとき、政府の施策は児童クラブを設置するとともに、一方でこれらの問題の解決を図る手立てをせねば、本当の温もりのある施策とは言えない。


 私は、森上小学校児童クラブの開所式に臨んで、「この児童クラブを利用する家庭に利便を供与するだけであったとすれば、それは単に制度の運用にとどまる。これを利用する児童に接する先生方(職員)に、温もりをもって児童に接するを切望する」と来賓の挨拶としたが、要は『須坂の宝』たる児童がすくすくと育つグランドであって欲しい(信濃毎日新聞4月6日朝刊に掲載)。(佐藤壽三郎メルマガVol.86)


3).4月21日午前9時 墨坂中学校体育館建設工事安全祈願祭

4).4月23日午後5時 森上小学校職員歓送迎会


13. 【注目の報道記事から】


1)松本空港利用者の減少についての改善策の提唱

 松本空港の発着便を、福岡や札幌に午前中に着くようにして、午後は現地で一仕事できるように、観光便色からビジネス向きに替えるべきである。県内の利用実態は、朝早に新幹線(或は中央線)で上京し、羽田から福岡なり札幌への飛行機を利用しても、現地で一仕事できるメリットがあるからであるが、東京往復間の時間ロスと運賃が馬鹿にならない。

 更に濃霧でも離着陸できるように、進路に当たる山々の山頂に信号所を設ける等の改良する。

 この二点を解決すれば、「天候に左右されて、当てにならない飛行機では、スケジュールに組めない!」ことは無くなり、松本空港が常時使えればと願う利用者は、敢えて早朝に起きて、羽田空港に出向く必要が無くなる。離発着の確実性が利便性と経済性に繋がる。そして信州まつもと空港は県民の足となる。



1)須坂市に関係のある留置き情報

@ 4月23日午前0時29分須坂市明徳山(八町山)付近を震源とする震度4の地震が発生。市の公共施設等に一部に被害が出ました。震源地はかっての松代群発地震の震源区域内であることから、かってのような群発地震にならねばと、私は心配します。


16【北信鏡】

3/26市民相談 /30森上小学校 /31会派会議 4/3 三峯社春季例祭 /4森上小学校 /5森上小学校、墨坂中学校 /6泉小路発起人会 /7定数等改革検討委員会 /8市民相談 /9境沢町 /10市民茶会 /12議会運営委員会、会派代表者会議 会派協議、市民相談 /13市民相談、泉小路活性化 /14県市長会 /15市民相談 /16信州すざか農業小学校 /19定数等改革検討委員会、総務文教委員会 /20区民相談 /21墨坂中学校、市民相談 /21須坂商工会議所境沢支部、委託清掃組合 /23森上小学校


発行日 平成17年4月24日   編集:発行人 須坂市議会議員 佐 藤 壽三郎